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技術コラム

【粉体】Vol45.粉体編:流動層と最小流動化速度

2025年12月26日

粉体工学において粉体と流体を効率よく接触させるために、粉体層に対して流体を流入させることを流動層と呼んでいます。流動層は容器に入れた粉体の下側から流体(気体や液体)を流入したときに、ある流速に達すると粉体が重力に抗って浮き上がり、流体のように自由に動き回るような状態のことを指しています。流動層の特徴としては、粒子が激しく動き回るため、気相の温度や濃度が層内で均一になりやすく、流体と粉体の接触面積が大きくなるため、加熱や乾燥、化学反応が進みやすくなります。例えば流動層焼却炉、流動層乾燥機などが挙げられます。
粉体が流動化する流体の速度を最小流動化速度と呼んでいます。最小流動化速度は理論的に求められるためここではその方法を紹介します。


最小流動化速度は粉体層の厚さLと断面積Aと重力gの関係から考えます。



ここで、ρは密度、下添字pは粉体、fは流体、εは空隙率を示します。粉体層での圧力損失と上記の式を組み合わせると、次式となります。


ここで、Ψ_c はカルマンの形状関数、ε_mfは流動化開始時の空隙率、Re_mfは流動化開始時の粒子レイノルズ数、Arはアルキメデス数を示します。



ここで、Dは粒径を示します。これらの式を使うと最小流動化速度を求めることができます。

次に粉体層の流動化後について紹介します。粉体の粒径や密度によって流動状態が異なってきます。ここでは緑色を粉体層、白色を流体領域とし、4つの代表的な流動化状態について示します。それぞれの下側から流体を流入させていて、流動状態は左側から固定層、バブリング、スラッギングとチャネリングと呼ばれています。最小流動化速度より流速が小さければ、固定層となります。






さいごに

今回は、流動層と最小流動化速度について紹介しました。流動状態については粒径や密度より流動性を粗い評価をすることは可能ですが、詳細な評価ではないことに注意する必要があります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回も粉体工学に関連する理論解紹介したいと思います。

[From J. Aono]


参考資料

[1] 神田 良照, 鈴木 道隆, 椿 淳一郎, 入門 粒子・粉体工学 改訂第2版, 日刊工業新聞社, 2016

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