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技術コラム

【粉体】Vol44 粉体シミュレーションで実現するサステナブル製造(環境×粉体)

2025年12月02日

近年、製造業において「サステナブル(持続可能)なものづくり」が以前にも増して重要視されるようになっています。粉体を扱うプロセスでも、環境負荷の低減やエネルギー効率の改善、無駄削減が求められており、これらの課題に対してシミュレーション技術が大きな役割を果たし始めています。今回は、粉体シミュレーションがサステナブル製造にどのように貢献できるのか、その視点から解説します。


サステナブル製造と粉体プロセス

粉体は化学、食品、医薬品、素材など多くの産業で利用されていますが、以下のような課題が発生しやすい特徴があります。

・過剰混合によるエネルギー消費の増加
・配管や装置内での付着・閉塞によるロス
・品質不均一による廃棄量の増加
・試作回数の多さによるコスト・時間のロス

これらはすべて環境負荷に直結するため、改善には「事前予測」や「工程の最適化」が鍵になります。ここで粉体シミュレーションが活躍します。


粉体シミュレーションが貢献できるポイント

① 無駄なエネルギーを減らす

混合や輸送では「必要以上に動かしすぎること」がエネルギー消費の増加につながります。シミュレーションでは、

・混合が十分進むまでの時間
・効率的な回転数・流速
・粉体が停滞しやすい領域
などを事前に把握し、最適条件の設定が可能です。
結果として、「過剰運転の削減=エネルギー削減」へつながります。

以下は、市販粉体シミュレーションソフトウェア iGRAF を用いて、攪拌速度が混合物へ与える影響を確認したシミュレーション動画です。


② 試作回数を減らし、材料ロス削減

粉体の挙動は実験だけでは読み切れず、多くの企業で試作回数が多くなる傾向があります。シミュレーションでは、

・粉体の流れ
・分級・偏析の発生箇所
・詰まりやすい領域
を可視化できるため、試行錯誤の数を減らし、原料の無駄や試作コストを削減できます。


③ 分離・偏析の予測で廃棄量を低減

混合製品の場合、偏析による品質ムラが廃棄の原因になる場合があります。
シミュレーションでは、粒径・密度・形状の違いによる分離傾向を予測でき、

・配合順序
・混合容器形状
・混合時間
の最適化へつなげることができます。
結果として、「ムラによる不良」の削減が期待できます。

④ 設備設計の最適化で環境負荷を軽減

粉体と流体の連成解析(粉体+流体シミュレーション)を利用すると、
・空気輸送ラインの圧力損失の最小化
・フィーダーやサイクロンの分離効率向上化
・装置内の滞留領域の低減
といった設計改善が可能になります。
設備をより効率的にすることで、長期的なエネルギー削減にも繋がります。


さいごに

今回は「サステナブル製造」という視点から粉体シミュレーションの活用例を紹介しました。粉体プロセスは目に見えにくく、非効率になりやすい領域ですが、シミュレーションを活用することでエネルギー削減・試作削減・廃棄削減といった多方面の環境メリットが得られます。

以下に、サステナブルな製造を実現するために粉体シミュレーションを活用できる主な応用例を示します。


[From Vidura Gamage]


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