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技術コラム

【流体】製造業における結露解析のススメ

2026年01月19日

はじめに

造現場や製品開発現場に古くから存在する問題の一つに「結露」があります。結露は単なる水滴の付着に留まらず、製品の信頼性を揺るがし、時には重大な事故や経済的損失を招く要因となります。今回の流体コラムでは製造業における結露起因のトラブルとシミュレーションによる結露の対策検討について述べます。





製造業の現場における結露起因のトラブル

結露は製造業の様々な分野でトラブルの原因となっています。分野ごとの結露に起因するトラブルの例は下記のようなものがあります。


プラント
・配管の腐食・断熱性能の低下
配管外壁に結露が発生することで腐食を引き起こし、配管の寿命低下、リークの発生に繋がる恐れがあります。また、結露により断熱材が濡れることで断熱性能が低下することがあります。これは、配管内の流体の温度を維持する必要がある場合に大きな問題となります。
・制御盤の故障
工場の制御盤内部の電気回路や電子部品に結露が発生することで誤動作・故障を引き起こす可能性があります。


輸送機器・機械
・機器内の電子機器の故障
自動車・船舶・航空機等の輸送機器および建機や農機といった温度変化が激しい屋外で使用される機器において、搭載される電子基板に結露が発生することでショートや信号異常を起こすケースは、電動化の潮流の中で特に増加傾向にあります。空調ダクトの外壁に発生した結露が滴下し、周囲の電子機器に液滴が侵入するケースも存在します。


食品・製薬業界
・衛生面のトラブル
工場内の壁面や天井、機器や配管に発生した結露がカビや菌の増殖を助長し、衛生面でのトラブルに直結するリスクが存在します。



求められる「後手に回らない」結露対策

従来こうした結露トラブルの多くは、市場投入後に問題が発覚してから、追加のヒーターの設置、換気口の増設といった「対症療法」で解決する、または断熱材やコーティング等、過剰にコストをかけた安全設計によって未然に防止するケースが多く見られました。しかし、製品開発のスピードアップやコスト削減が求められる現代において、こうした「後手」の対策、「過度な安全マージンの確保」は、設計変更の戻り工数や対策コストの増大を招く大きな負担となります。



CAEによる結露発生予測

そこで今、注目されているのが、CAE(熱流体解析)を用いた設計段階での結露予測です。
実機での試験が困難な環境条件や、複雑な内部構造における温湿度分布をシミュレーション上で可視化することで、どこに、いつ、どの程度の結露が発生するリスクがあるのかを、設計段階で定量的に把握することが可能になります。これにより、断熱設計や配置検討といった結露対策をフロントローディングで実施でき、結果としてトラブルの未然防止と大幅なコストダウンを実現できます。



結露解析例

SOLIDWORKSと連携が可能な3DEXPERIENCEの熱流体解析ロール「Fluid Dynamics Engineer」を用いた結露解析の例を下記に示します。


・例) 配管外壁の結露発生予測
配管内を低温の流体が流れ、配管外は高温の湿った空気が流れている環境を想定したシミュレーションを簡易形状で実施し、配管外壁に発生する結露の厚さを確認した。


解析条件
流体種別 空気
配管内 流速 0.5 m/s
配管内 流体温度 5 ℃
外部 流速 0.5 m/s
外部 流体温度 50 ℃
外部 相対湿度 25 %
物理時間 30 s






▼ 結露厚さ分布 時刻歴アニメーション(単位:μm)






・例) ファン冷却型の電子機器内の結露発生予測
気温の低い屋外で使用した低温状態の電子機器を、屋内に持ち込み電源を入れ、ファンの稼働により屋内の暖かく湿った空気が筐体内に侵入するケースを想定したシミュレーションを実施。電子部品壁面に発生する水膜の厚さを確認した。


解析条件
流体種別 空気
固体 初期温度 -5 ℃
流入流体 速度 0.5 m/s
流入流体 温度 27 ℃
流入流体 相対湿度 90 %
物理時間 35 s






▼ 結露厚さ分布 時刻歴アニメーション(単位:mm)





おわりに

結露問題は、発生してから対策を講じる「後手」の対応では、多大なコストと工数がかかります 。製品の信頼性を高め、開発をスムーズに進めるためには、設計段階での予測・対策が不可欠です。本コラムで使用した熱流体解析ソフト「Fluid Dynamics Engineer」は、SOLIDWORKS CADとクラウドプラットフォーム上でシームレスに連携し、下記の様な活用が可能です。

・形状の最適化…配管の肉厚変更、断熱材の厚み違いによる結露抑制効果の比較
・配置検討…結露を最小限に抑えるための、電子部品や空調ダクトのレイアウト検証
・環境条件の網羅…温度・湿度、風速など、想定される様々な稼働環境下でのリスク評価


製品の詳細については、下記のページをご覧ください。
https://www.sbd.jp/products/flow/fluid-dynamics-engineer.html


[From K.Okano]



使用ソフト

本コラムで使用した3DEXPERIENCE Worksの熱流体解析ロール「Fluid Dynamics Engineer」の詳細は下記ページをご覧ください。SOLIDWORKSモデラーとシームレスな連携が可能であり、本事例の様な複数の形状パターンで相対比較を行うシーンで大変有用なソフトになります。
https://www.sbd.jp/products/flow/fluid-dynamics-engineer.html

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