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COLUMN

技術コラム

【粒子法】vol.39 トンネル覆工コンクリート施工時の流動解析

2025年06月16日

はじめに

トンネル覆工コンクリート施工における充填不良は、構造物の耐久性低下を招く要因となります。本コラムでは、流動解析によるコンクリート挙動の可視化を通じて、空洞化リスクの低減と施工品質の向上に貢献する事例を紹介します。


目的

空洞箇所の特定:コンクリートの流動状況を可視化し、空洞化しやすい箇所を特定します。
回避策の検討:空洞化を回避するため、コンクリート特性による流動性の差異を評価します。
施工品質の向上:打設経過時間の分布から、打ち継ぎやひび割れの可能性のある箇所を予測し、施工品質の向上に役立てます。


解析条件

型枠モデル
型枠形状1)は、幅約2.5m×延長6m×覆工厚225~300mm(凹凸を含む)としました。





図1:型枠平面図




図2:型枠斜視図




物性値

表1:物性値






解析条件
スランプ15cm、26cmの2ケースを実施しました。


表2:スランプ違いの実施条件(2ケース)





解析結果

結果アニメーション




結果評価

空洞化しやすい箇所の特定
スランプ15cm(流動性が低い)では、位置z方向に流動しました。
スランプ26cm(流動性が高い)では、位置x方向に流動しました。




図3:各時刻の流動状況(位置zコンター表示)


スランプ26cmでは、上部の凹凸により空隙が取り残されやすくなると考えられます。



打設時間
コンクリート流体が型枠内に打設されてからの経過時間を示しています。
スランプ15cmは、吹き上げ口を中心として楕円状に打設経過時間が高くなりました。
スランプ26cmは、x方向ほど打設経過が高くなる傾向があり、局所的に高い箇所、低い箇所が層状に分布しました。





図4:打設経過時間の分布(1300秒時点)


打設経過時間の差が高いほど、打ち継ぎに近い特性となり、ひび割れが発生しやすくなると考えられます。


まとめ

トンネル覆工コンクリートの流動解析を、スランプ違いで実施しました。解析結果の流動挙動の可視化により、空洞化しやすい箇所を特定しました。打設経過時間より、ひび割れのしやすい箇所を特定しました。このように解析を事前実施することで、空洞化を回避するような型枠形状、吹出し位置・流量、コンクリート特性の検討が可能であると考えられます。今後の課題としては、バイブレータの考慮、気相を考慮した計算による空洞化の再現性の向上が挙げられます。


[From H. Yazawa]


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