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技術コラム

【粉体】Vol.42粉体編:サイロ構造物の壁面に作用する粉体圧

2025年09月19日

サイロ構造物を設計する際に内部の粉体がサイロ壁面に作用する圧力(粉体圧)を知っておく必要があります。粉体圧は多くの研究がされています。ここでは、粉体圧を土圧論に基づいたJanssenによる理論解を紹介したいと思います。Janssenの理論解は,サイロ内の粉体は壁面との摩擦力によっても支えられていることを示しています。この理論解では,同一水平断面では一様に分布していることと,壁面摩擦係数は壁面で一定と仮定していますが,壁面にかかる粉体圧を推算することができます。式の導出は教科書(例えば[1])などを参考にしてください。



ここで,σ_v [Pa]はサイロ内の垂直圧(粉体圧),σ_b [kg/m^3]は粉体の見かけ密度,g [m/s^2]は重力加速度,D [m]はサイロの内径,μ_W [-]は粉体と容器内との摩擦係数,K [-]は垂直圧と水平圧の比(ランキン定数),h[m] は粉体の高さです.

Janssenの理論解を横軸に粉体高さ、縦軸に垂直圧をプロットすると次のようになります。粉体の見かけ密度は2,000 [kg/m^3], サイロの内径は5 [m]としています.ランキン数により高さ方向の垂直圧は変化することが確認でき,高さが増加してもある特定の高さ以上では,垂直圧は大きく変化していないことが確認できます。



さいごに

今回は、サイロ設計に関係するJanssenの理論解を紹介しました。粉体シミュレーションでもこのJanssenの理論解を利用する場合があります。例えば、サイロ内から排出される粉体シミュレーションを実施する場合,粉体が上部の粉体によって押されて排出される初期の粉体量をJanssenの理論解により見積もることができます。初期の必要な粉体量を見積ることができると,粉体シミュレーションの計算コストの削減につながる場合があります。

今後,数値シミュレーションをするにあたり必要な理論解をいくつか紹介する予定です.

[From J. Aono]


参考資料

[1] 神田 良照, 鈴木 道隆, 椿 淳一郎, 入門 粒子・粉体工学 改訂第2版, 日刊工業新聞社, 2016

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