前回は、データ管理の不備が大きな損失につながった事例をご紹介しました。
今回はその背景にある「データ管理の本質」について、あらためて考えてみたいと思います。
DXという言葉が世の中で広く認知され始めたのは、コロナ禍以前の2018年頃でした。
コンピューター技術やAIの進化が加速し、私たちの日常生活やビジネスのあらゆる場面にデジタル技術が浸透していきました。
しかし、製造業の業務プロセスにおいては、依然としてデジタル技術の活用が十分浸透しているとは言えない状況が続いています。
私自身、従業員数百名規模の中堅製造業に長年勤めてきました。
現在では一定のデジタル化も進み、業務プロセスも多分に変化しましたが、振り返ると初期の取り組みは「図面管理」や「紙文書の電子化」、そして「ワークフロー導入」でした。
読者の皆さまの中にも、同じような経験をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
これはまさにデジタイゼーション(Digitization)の典型的な取り組みになります。
部署単位の小さな改善レベルであっても、当時は装置の不具合情報やサービス記録といった紙ベースの資料が電子化され、情報共有のスピードと文書検索の利便性が劇的に向上したことをよく覚えています。
その後、2010年以降にはPDM、生産管理、調達システムなどのパッケージ導入が進み、順調にデジタライゼーション(Digitalization)へと歩みを進めていきました。
しかし、その順調は錯覚でありこの流れが思わぬ落とし穴への序章であったと後に気づくことになるのです。
それがシステムのサイロ化です。
業務のしくみとシステムの個別最適が進む一方で、全体最適が置き去りにされ、業務効率向上は頭打ちに。
自工程と前後の業務工程のデータ連携が弱まり、システム間を“人がつなぐ”という非効率が常態化し、業務とシステムのミスマッチが次々と発生する――。
こうした負のスパイラルに陥ってしまった企業は、決して少なくないのでは? とお察しいたします。
では、この状況をどう打破すべきか。
鍵となるのは、
「業務プロセス全体のあるべき姿」を描き、その姿に合わせて「情報」と「システム」を再設計すること
だと考えています。
情報の流れを整理し、属人化を排除し、全体最適を実現する。
これこそがDXの本質であり、単なるシステム導入やデジタル化とは一線を画す取り組みです。
とはいえ、全社的な業務改革には時間も費用も人材も必要で、「どこから手を付ければよいのか」と足踏みしてしまう企業が多いのも現実です。
すでに多くの企業がデジタイゼーションを終え、デジタライゼーションへ移行しつつある今こそ、全体の業務プロセスを俯瞰しながら、効果の大きい領域からスモールスタートすることが重要です。
ERP、PLM、PDMといったシステムの役割と情報のIn/Outを明確に定義し、全体最適の視点でデータ管理に取り組むことが、業務改革成功の確率を大きく高めてくれます。
その実現を強力に支援するのが、「3DEXPERIENCEプラットフォーム」です。
クラウド上で業務プロセス・データ・人を一元的につなぎ、サイロ化を解消しながら全体最適を実現するAll-in-Oneの環境は、まさにDXの本質に直結するアプローチと言えるでしょう。
製造業の未来を切り拓くために、いまこそ「データ管理の本質」に立ち返り、全体最適の視点で業務改革を進めるタイミングなのだと思います。
COLUMN
データ管理
データ管理の本質と、DXが本当に目指すべき姿とは
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