粉体シミュレーションでは結果のデータ量が多く、処理の仕方によって様々の情報を取り出すことができます。
例えば、以前ご紹介したLacey's mixing indexもその一つです。
Lacey's mixing indexは粉体座標の分散状態から混合度を評価する指標となります。
このような評価指標の中から今回はGranular temperatureについてご紹介します。
Granular temperatureでは、粉体の運動のランダム状態を評価する指標となります。
考え方としては、分子運動から温度を評価するものと類似しています。
Lacey's mixing indexが粉体座標を使用した評価であったのに対して、Granular temperatureは粉体速度を使用した評価になり、下記のような定義になります。
Θ(r,t) = 1/3 * [(r,t) + (r,t) + (r,t)]
ここで
(r,t) = 1/n*Σ_(k=1)^n[v_i^k(r,t) - c_i(r,t)]*[v_j^k(r,t) - c_j(r,t)]
v_i^k : k番目の粒子の速度のi成分
c_i : 粒子速度のi成分の平均値
となります。
全て同じ方向に運動している場合には、Granular temperatureは0となり、ランダムに空間内の粒子がランダムに運動するほど高くなります。
混合や撹拌の際にはランダムな運動が必要になるため、Granular temperatureが高くなるように設計することになり、混合などを伴わない搬送では、偏析を避けるためにも同じ運動をすることが重要になるかと思いますので、反対にGranular temperatureが低くなるように設計することになります。
粉体シミュレーションでは、このような指標を確認できるため、設計を多面的に評価することが可能になります。
[From K.Yamaguchi]
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