粉体を特徴づける物理量には様々なものがありますが、その中で最も基本的な物理量が粒子径になります。
単に粉体と言っても形状は様々で、真球に近い粉体もあれば、真球からほど遠い粉体もあります。
それでは、どのようにして粒子径を定義するのでしょうか。
一般的な粒子径の定義は以下の3つに大きく分類されます。
1.幾何学的粒子径
幾何学的粒子径とは、静的な幾何的な情報から取得する粒子径のことです。
例えば、一定の方向を向いた2つの平行線で挟んだ際の幅で定義した「フェレー径」や投影面積を2等分する線分の長さとして定義した「マーチン径」などがあります。
2.光学的粒子径
光学的粒子径は対象に光を当てて得られる散乱や回折パターンによる光強度分布と等価な球の直径として定義します。
3.動力学的粒子径
動力学的粒子径は動的な挙動が等しい球の直径として定義します。
例えば、流体中の沈降時の終端速度が等しくなる球の直径で定義した「ストークス径」などがあります。
粉体を取り扱う際には、どのようにして測定された粒子径なのかを把握することが粉体を正しく理解するための第一歩となります。
より詳細な粒子径の定義については末尾に記した参考図書に記載されておりますので、ご興味ある方はご確認ください。
参考:日刊工業新聞社「粉体工学叢書 第1巻 粉体の基礎物性」
[From K.Yamaguchi]
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