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技術コラム

軽量化と振動対策を両立するには?構造最適化で固有振動数をコントロール!【構造最適化】

2026年03月02日

背景

構造設計において、「いかに軽く、かつ変形や応力を抑えるか」という静的な剛性の確保は今までのテーマです。しかし、動的な荷重がかかる製品において、それと同等以上に重要になるのが振動への対策です。

部品の固有振動数が、稼働時の周波数(モーターの回転数など)と一致して「共振」を起こすと、パフォーマンスの著しい低下や疲労破壊に繋がります。そこで近年、固有振動数(固有値)をコントロールする構造最適化技術が注目されています。



今回のコラムでは、SOLIDWORKSアドインの最適化ツール「HiramekiWorks」の機能を交えながら、固有振動数を制御する最適化のアプローチをご紹介します。


振動に強い形状を自動で導き出す

従来の構造最適化は、外部荷重に対して変形を最小化する(剛性最大化)や応力を下げることが主流でした。しかし、HiramekiWorks 4.0 の最新版に搭載されている最適化技術では、これに加えて固有振動数(振動特性)も制御できるようになっています。

具体的には、以下のような最適化条件を設定ことができます:
固有振動数を最大化する: 共振を避けるため、部品の固有振動数を稼働周波数よりも高く押し上げる形状を探索させる 。
固有振動数を指定範囲に収めるや定義値を等しくする:指定されたモード次数の固有振動数を「〇〇Hz以上にする」「〇〇Hz以下にする」「〇〇Hzと一致させる」といった条件を満たしつつ、軽量化などの別の目的を達成させる 。


実践例: 固有振動数を最大化する・しない場合の比較

言葉だけではイメージしづらいため、HiramekiWorksに付属しているモニターアームのチュートリアルモデルを例に見てみましょう。



ブロック形からスタートし、初期形状(質量:6990 g)から90%の質量削減という制約を満たしつつ、4つの異なる荷重ケースに対してトポロジー最適化を実行します。



固有振動数の最大化の最適化目的を設定しない場合、1次モード(最も起こりやすい変形パターン)の固有振動数が30.5Hzとなる形状が得られました。この変形モードのアニメーションを確認したところ、正面から見てモニターが時計回り・反時計回りに前後に回転する(ねじれる)ような動きをしていることがわかりました。



1次モードの固有振動数を最大化するという目的を追加すると、HiramekiWorksは、モニター画面とアーム部分の接点を2箇所から4箇所へと自動的に増やしました。これにより、モード形状のねじれ運動に対する剛性が向上する一方で、軽量化制約を達成するために影響の少ない部分からは不要な材料がしっかりと削ぎ落とされています。



結果として、4つの荷重ケースそれぞれの静的な剛性結果に大きな悪影響を与えることなく、初期のブロック形状と比較して指定通り90%の質量削減を実現しつつ、1次モードの固有振動数を30.5Hzから40.4Hzへ向上(32.5%アップ)させることができました。


パラメータ 固有振動数の最大化の目的
質量 714 g
(89.8%軽量化)
779 g
(88.9%軽量化)
1次モードの
固有振動数
30.5 Hz 40.4 Hz
(32.5%アップ)
最大変形量 荷重ケース①: 1.20 mm 1.70 mm
荷重ケース②: 5.94 mm 8.98 mm
荷重ケース③: 6.63 mm 5.25 mm
荷重ケース④: 8.93 mm 4.76 mm


まとめ

最適化ツールのHiramekiWorksの最新版を活用すれば、「軽さ」「強さ」そして「揺れにくさ」という、相反しがちな要素を同時に満たす最適形状を導き出すことができます。ぜひ設計業務にも、この「動的な剛性」をコントロールする新機能のご利用をご検討いただければと存じます。


[From Andre ARAUJO FORTES]

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