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【大手製薬会社/お客様実例】ワースター流動層に関する粉体挙動解析

粉体シミュレーションソフトウェア「iGRAF」を使用したお客様実例として、大手製薬会社様によるワースター型流動層における粉体流動解析をご紹介します。

iGRAFを使用して、ワースター型流動層の解析に取り組まれた背景

今回取り組んだワースター型流動層に限らず、製造スケールに応じて装置を変更する必要があります。ただ、各装置の操作条件に応じた粉体挙動とその影響をイメージすることは難しく、結局一から実験することがあり、そのうえ、試料不足や社外で製造する等の理由から実験回数が限られているという課題がありました。
このような課題に対して、数値シミュレーションを使って可視化することで円滑に対応できるのではないかと考えました。

ワースター流動層は、装置内に内筒(ドラフトチューブ)があり、スプレーノズルによって粒子がコーティング液の噴霧を受ける部位と、温風による乾燥を受ける部位を明確に分離し、一方向の循環流動層を形成することによって高精度の粒子コーティングが行える装置になります。実験の際にはドラフトチューブの高さをどのように設定すればよいかという疑問がありました。そこで、数値シミュレーションによりドラフトチューブ高さが粉体挙動に及ぼす影響を確認することにしました(課題1)。
さらに、実験の際に、仕込み量(課題2)や粒子径(課題3)が粉体挙動に影響を及ぼしているようにも感じていたため、その件についても数値シミュレーションで確認しました。

解析詳細について
課題1)ドラフトチューブ高さが粒子挙動に及ぼす影響について

まず、条件としてドラフトチューブ高さを2水準(10mm/30mm)としました。図1は左上が解析開始時、右上が1秒後、左下が2秒後、右下が3秒後の解析結果となっております。それぞれの図中の左の装置がドラフトチューブ高さ10mm、右の装置がドラフトチューブ高さ30mmとなっています。初期配置高さによる粒子の色分け表示を行い、解析時間進行に伴って変化する粒子の混合度合いを確認しました。解析開始1秒後はいずれのドラフトチューブ高さも混合が不十分だったものの、2秒後以降は混合が十分に進行していることが目視で確認することができました。10mm~30mmの範囲では、ドラフトチューブ高さが粒子の混合進行度に及ぼす影響は小さいということが確認できました。


 
表 1 解析条件(ドラフトチューブ高さ10mm/30mm)



 
図 1 解析結果(ドラフトチューブ高さ10mm/30mm)


課題2) 仕込み量が粒子挙動に及ぼす影響について

次の計算では、仕込み量を2水準(100、000粒子/200、000粒子)として解析を実施しました。図 2は先ほどと同じく左上が解析開始時、右上が1秒後、左下が2秒後、右下が3秒後の解析結果となっております。それぞれの図中の左の装置が100、000粒子、右の装置が200、000粒子の解析結果となっています。初期配置高さによる粒子の色分け表示を行い、解析時間進行に伴って変化する粒子の混合度合いを確認しました。図 2より、仕込み量が多いほど粒子の混合に時間を要することを確認することができました。


 
表 2 解析条件(計算粒子数100000/200000)



 
図 2 解析結果(計算粒子数100000/200000)


課題3)粒子径が粒子挙動に及ぼす影響について

最後のケースでは、粉体粒子径を2水準(200μm/100μm)として解析を実施しました。図 3は左上が解析開始時、右上が0.5秒後、左中が1秒後、右中が2秒後、左下が3秒後の解析結果となっています。それぞれの図中の左の装置が200μm粒子、右の装置が100μm粒子の解析結果になります。これまでの計算と同様に、初期配置高さによる粒子の色分け表示を行い、解析時間進行に伴う粒子の混合度合いを確認いたしました。図 3より、粒子径が大きいほど初期充填高さが高くなり、粒子の混合に時間を要することが確認することができました。


 
表 3 解析条件(粒子径200μm/100μm)



 
図 3 解析結果(粉体粒子径200μm/100μm)


iGRAFの利用を通じて得られた結果

課題1:ドラフトチューブ高さ、課題2:仕込み量、課題3粒子径を変更、と条件を変えて解析時間進行に伴う、粒子の混合度合いを確認して以下の結果を得ることができました。

・10mm~30mmの範囲では、ドラフトチューブ高さが粒子の混合進行度に及ぼす影響は小さいこと。
・計算粒子数が多いほど粒子の混合に時間を要すること。
・粒子径が大きいほど初期充填高さが高くなり、粒子の混合に時間を要すること。

解析を行ってみての所感

実験では明瞭に確認することができない流動層内部を可視化することができました。解析結果を用いて混合度を確認するのですが、ポスト処理を活用して複数のレイヤーのカラーを変えることでより分かり易い表示となり、詳細に混合度を分析することができました。設定は比較的容易で数値シミュレーション=iGRAFならではのメリットだと強く感じます。 また実験(原料を使用)することなく、ドラフトチューブ、仕込み量、粒子径の粉体の混合度への影響が確認することができました。今回の解析結果は、プロセスの理解を深めることや今後の実験の計画や考察をサポートすることに十分活用できるものだと考えます。

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