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株式会社アイシン 様 導入事例

3次元CAD統合型熱流体解析ソフトウェア「Simcenter FLOEFD」導入事例

株式会社アイシン 様



株式会社アイシン グループ技術開発本部 解析技術部 CAE開発室
(左から)田中直樹氏、主幹 小野寺陽祐氏


「CAD上で使える『Simcenter FLOEFD』により、設計者が自在にアイデアを試せる環境を展開。流体が関わる多種多様な製品の性能を検討するのに役立っています。」

画像:株式会社アイシン ロゴ

自動車部品をはじめエネルギー・住生活関連など幅広い分野の製品を展開する株式会社アイシン。さまざまな製品を開発する同社の設計者に向けた解析関連ツールの展開を担うのが、グループ技術開発本部 解析技術部 CAE開発室だ。同室は、2016年に設計者向け熱流体解析ソフトウェア「Simcenter FLOEFD(以下、FLOEFD)」の導入検討を開始した。その狙いと成果について、主幹の小野寺陽祐氏、田中直樹氏にうかがった。

精度、使いやすさともに満足できるFLOEFDを導入

― まずFLOEFDがどのように使用されているのか、また導入の経緯をお聞かせください。


当社は6つのバーチャルカンパニー制をとっていますが、どのカンパニーにおいても、水、油、空気などの流体と関わる製品が存在します。自動車部品だとウォーターポンプと流量弁からなる冷却モジュールや燃料電池コンポーネント、また高級車に搭載されているリフレッシュ機能のついた「ニューマチックシート」の空気弁、自動車以外ではガスヒートポンプエアコンの熱交換器をはじめ幅広い製品にFLOEFDを使用しています。

社内ではFLOEFDの操作を学ぶための講習を四半期ごとに実施しており、受講済みのユーザーは151名にのぼります。設計者自身が、圧力損失などを知るためにFLOEFDを活用しています。

導入を検討し始めたのは2016年ごろのことです。設計者からの流体解析の依頼が増え、対応しきれなくなりつつありました。すでに非線形強度解析の設計者展開が順調に進んでいたことから、次は流体解析に取り組むことにしました。


― 社内への展開時には、どのような点に力を入れたのでしょうか。


特に力を入れたのは、いかに設計者たちに受け入れてもらうかということです。自分たちでいつでも好きなだけ検討できるようになるとはいえ、今までやっていなかった業務が加わるので抵抗もあります。

画像:株式会社アイシン

CADの延長で簡単に使えることを体験してもらうとともに、精度については、ウォーターポンプの揚程性能シミュレーション結果と、工場で1年の間に製造した3モデルの生産品における性能データ(各30点)と比較しました。誤差が±10%に収まり、今まで専任者が使っていたソルバーと比べても遜色ないことを示し、納得してもらえたと思います。

またFLOEFDを使いこなすために必要十分な知識を伝える教育体制も、精度確認と並行して整えていきました。テキストでは大学2年生までの流体の知識を説明しますが、できる限り数式を出さず、粘性は料理、層流と乱流は水道の蛇口から出る透明の水と透明ではない水といったように、誰もが見たことがある現象で説明しました。FLOEFDを使う人にはCADモデラーや設計者など様々な人がおり、出身も理系大学に限らず多種多様です。いきなりナビエ-ストークス方程式が出てきて苦手意識を持ったという人も少なからずいます。そういった人に「こういうテキストで勉強したかったよね」と言ってもらえるようなテキストを作りました。このFLOEFDを使った講習は、専任者向けのCFDを使う前の入門の役割も果たしています。

燃料電池車のコンポーネントにも適用

― FLOEFDを使用した解析の例を教えてください。

現行のトヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」に搭載されている燃料電池の「気液分離器」に使われています。燃料電池から排出される水は非常に細かい水滴になっているため、水滴を含む水素循環ガスを渦状に流して遠心力で水滴を取り除きます。FLOEFDでは、どのように流れるのか流速分布などを確認して、効率よく水滴を回収できる形状を検討しました。


▲図:MIRAIに搭載されている燃料電池モジュールの気液分離器
効率よく水滴を回収できる形状を検討するため、どのように流れるのか流速分布を確認



またユニークなところでは、当社の新規事業のひとつである、空気中の水分子を極小サイズの水粒子「AIR(アイル)」に変換する技術を使った商品の開発にも活用しています。髪にAIRを浸透させる美容機器「Hydraid(ハイドレイド)」の開発で、AIRを含む微風が髪全体に当たるよう、FLOEFD上で機器と人をモデル化して解析することで、AIR発生装置の数や位置、風速の最適化を実現しました。

FLOEFDの導入効果は時間短縮にとどまらない

― FLOEFDによってどんな効果が得られていますか。

画像:株式会社アイシン

モデル作成の時間はFLOEFDを使用することで、専任者が使うCFDツールに比べて、85%削減できました。また専任者に解析を依頼すると、部署をまたいだ業務になるので、どうしても検討数は必要最低限の数件に限られてしまいます。また、依頼された部署に結果を戻すのにも時間がかかってしまいます。ですがFLOEFDを使うと、1週間で約4倍のモデル数を検討できるようになりました。このようにFLOEFDは解析ワークフローの効率化に大いに役立っています。

一方で、私たちが本当に大事だと考えているのは、設計者が思いついた案をすぐ検討でき、納得するまで試せる道具を提供できたという点です。設計者自身が性能をとことん突き詰めることができるという環境は、よりよい製品づくりや彼らのやりがいにつながります。数字では測れない、よりよい製品を目指していくというマインドの向上を狙って、私たちは設計者への展開に取り組んでいます。

「設計者へ展開したい」という想いに寄り添ったサポート

― 構造計画研究所のサポートなどに対する評価をお聞かせください。

構造計画研究所とのやり取りは、単なる一問一答の回答ではなく、私たちの「設計者へ展開したい」という想いに寄り添っていただいたものだと感じています。導入準備の定例会で生じた技術、精度、使い勝手などに関する疑問にもその都度答えていただき、アドバイスや試解析をしていただきました。構造計画研究所の担当の方には情熱を持って担当していただきました。担当者ご本人も楽しんで取り組んでいただいたようです。

GUIについても親身に対応していただけました。先に導入していた強度解析ツールは、当社が使用しているCATIA V5と同じ企業が開発したため、CATIA V5の延長線上で自然に使用していました。ですがFLOEFDは他社開発のため、はじめは操作にかなり違和感がありました。構造計画研究所はFLOEFDの開発元に対し、GUIの調整を依頼していただいたり、それが難しい部分については、なるべく違和感のない設定方法を調べていただいたりしました。

また当社ではCreo Parametricも使用していますが、FLOEFDは両方のCADにアドオンして使え、各CADのGUIに依存していない部分の操作感も同じでした。これは全設計部署に展開する上で欠かせないポイントでした。

― 今後の展開予定や当社への期待についてお聞かせください。

流体の圧力損失の解析を社内に展開していくことにより、CFD活用のベースができました。今後も着実に流体解析の適用範囲を広げていく予定です。今後の展開について、まずは車体の空力分野と考えています。 またパワートレーンは熱と切り離せない製品が多いため、熱と流体を同時に解析する展開も進めていく予定です。ただ、設計展開テーマによっては、計算時間が障壁となるので、ソフトウェアの更なる高並列計算への対応をお願いします。
現在、取り組んでいる制御基板の結露解析をサポートいただいておりますが、 新しい設計展開テーマに取組む際は、高い頻度でサポートしていただき助かっております。
今後も空力や熱解析の設計展開を進めていく計画ですので、ぜひ変わらぬご支援をお願いいたします。

取材日:2023年4月  
株式会社アイシンについて 創立:1965年
本社所在地:愛知県刈谷市
ホームページ:https://www.aisin.com/jp/
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