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【流体】熱と流れの不思議vol.6複数基板の実装ピッチによる温度上昇の変化

2021年11月18日

今回の流体コラムでは、熱流体解析ソフトSimcenter FLOEFDを使用し、複数の発熱する基板を縦置きで並べた際のピッチによって温度上昇にどれほどの差が生じるかを検証します。

速度境界層と温度境界層

〇速度境界層
粘性流体である実際の流体では、物体表面の流体は静止しています。物体から離れるに従って急激に速度が大きくなります。この流速が急激に変化する薄い領域を速度境界層といいます。(「境界層」と言った場合、一般的には速度境界層を指すことが多いです。)

〇温度境界層
発熱体の壁面上では、流体の温度が狭い範囲で急激に変化します。この温度が急激に常用する領域を温度境界層と呼びます。(温度境界層の厚さが薄いほど、熱伝達率は大きくなります。)

図:温度境界層

〇縦置き基板の温度境界層
縦置き基板周りは自然対流によって下流側で温度境界層が厚くなります。層の厚みが厚くなると熱は逃げにくくなります。

図:縦置き基板の温度境界層

基板などの発熱体を複数配置する場合には、間隔を狭くすることで温度境界層が干渉し、急激に温度が上昇します。自然空冷では基板の間隔を狭くしすぎないように注意する必要があります。FLOEFDを使用して温度上昇が著しくなる間隔がおよそ何ミリであるかを確認します。

解析概要

今回の解析では、W250㎜×H200㎜×厚さ1.6㎜の基板を等間隔で7枚設置し、間隔を30㎜~5㎜まで変更して解析を実施しました。間隔を変更することによって基板の平均温度がどのように変化するかを確認します。

〇解析モデル


▲図表1 30㎜ピッチ               ▲図表2 5mmピッチ

▲図表3 解析条件

〇検証パターン
基板のピッチを変更し、6パターン解析を実施しました。
検討パターン:30㎜, 25mm, 20mm, 15mm, 10mm, 5mm

解析結果

〇温度結果
6パターンの基板平均温度をまとめた表が以下になります。

▲図表4 基板 平均温度(固体)結果

▲図表4 基板 平均温度(固体)結果


ピッチ30mm~10mmは50℃前後なのに対して、ピッチ5㎜では約100℃と、10㎜の場合と比較して2倍以上の差が出ました。

〇温度コンター

▲図表5 温度コンター図

まとめ

今回の流体コラムでは、複数の発熱する基板を縦置きで並べた際のピッチによって温度上昇にどれほどの差が生じるかを検証しました。
解析結果から、温度境界層の干渉によりピッチ10㎜~5㎜の間で急激に温度上昇することが確認できました。今回の条件では隙間を10㎜以上確保する事が温度上昇を抑えるために必要になることが分かりました。このように複数の発熱のある基板を並べて配置、且つ自然空冷する場合、温度境界層が干渉しない一定の間隔を保つことが熱設計において重要になります。

[From K.Okano]

〇解析条件  
発熱源 15 W/枚
物理特性 重力考慮(自然対流)
熱伝導率 面方向:41.1W/(m*K) 面と垂直方向:0.29 W/(m*K)
環境温度 20 ℃

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