粉体シミュレーションを扱う上で避けては通れない挙動として、粒子が大きな速度で領域外に動く、発散があります。粉体シミュレーションを実施したことがある方は、何度も経験されたことがあるのではないでしょうか。計算が発散しない・安定した計算を行う上で重要なパラメータの一つとして、ばね定数があります。
今回は、計算の安定性とばね定数の関係性について解説します!
COLUMN
技術コラム
【粉体】Vol38.粉体編:シミュレーションの安定性とばねの振動周期(ばね定数②)
ばね定数と計算の安定性指標
DEMの計算において、接触力はばねの形でモデル化されています。詳細についてはばねのモデル自体について解説した前回の記事(https://www.sbd.jp/column/powder_vol37.html)や、接触力について解説した過去の記事(https://www.sbd.jp/column/powder_vol9_contact-force.html)をご覧いただきたいですが、粉体シミュレーションとばねの力のモデルは密接に関係しており、その結果、ばねの力がシミュレーション中の粒子の動きに影響してくる形になります。
シミュレーションを安定させるためには、対象物の動きを十分解像できるだけの細かい時間でコマ送りにする必要があります。ばねの動きの時間スケールを見積もるうえで便利なのがばねの“振動周期”になります。振動周期を基準として、その数値を一定数で分割することで時間刻みの指標とすることが多いです。
ちなみに、分割数としては、5~20程度がよく用いられるようです。

なぜばねの指標で計算が安定するのか?
なぜこの指標で安定するのか、もう少し深掘ってみましょう。繰り返しになりますが、粉体のシミュレーションでは接触力を考慮するために”ばね”のモデルを採用しています。したがって、「大きな変位で大きな力になる」というモデルになります。なお、シミュレーションでは粉体の干渉量を変位として考えています。
時間の刻みが粗い場合、突然大きな干渉量になるために想定以上に大きな力がはたらき、不安定になってしまうという理屈なのですが、この干渉量が大きくなっていくときの時間がそのまま振動周期の考え方に紐づきます。粒子が接触を始め、最大の干渉量となり、接触が終了するまでの時間がばねの振動の半周期分の時間になるイメージです。

このように、接触力をばねでモデル化していることにより、ばねのモデルをベースに時間決定の指標を見積もることができるようになっています。
【さいごに】
今回は、ばね定数と計算の安定性について解説しました。計算モデルとして、接触力をばねの形でモデル化しているため、安定性の目安指標としてばねに関する理論を活用しています。
[From S. Kato]
関連製品
粉体・流体シミュレーションソフトウェア iGRAF(アイグラフ)
https://www.sbd.jp/products/powder/igraf.html
第1・第3木曜日配信!
SBDメールマガジンより、
最新の技術コラムをお届けします。
Analysis Case
解析事例
Analysis Case
解析事例
解析事例


Case Study
導入事例
-
-
-
iGRAFによるシミュレーションで、様々な課題発見、試験回
もっと詳しく数の大幅削減による効率化、生産性の向上などを実現できました
Topics
トピックス
イベント・セミナー
シミュレーションに関するイベント・セミナー情報をお届けいたします。
2025年04月21日
2025年04月04日
2025年04月03日
トレーニング
SBD製品各種の操作トレーニングを開催しております。
2022年11月02日
2022年03月04日
2022年03月04日
技術コラム
シミュレーションに関する基礎知識や、製品の技術的なノウハウが満載の技術コラムをお届けいたします。
2025年05月20日
2025年05月20日
2025年05月12日
Topics
トピックス
トピックス


イベント・セミナー
シミュレーションに関するイベント・セミナー情報をお届けいたします。
2025年04月21日
2025年04月04日
2025年04月03日
トレーニング
SBD製品各種の操作トレーニングを開催しております。
2022年11月02日
2022年03月04日
2022年03月04日
技術コラム
シミュレーションに関する基礎知識や、製品の技術的なノウハウが満載の技術コラムをお届けいたします。
2025年05月20日
2025年05月20日
2025年05月12日