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技術コラム

【粉体】Vol38.粉体編:シミュレーションの安定性とばねの振動周期(ばね定数②)

2025年05月20日

粉体シミュレーションを扱う上で避けては通れない挙動として、粒子が大きな速度で領域外に動く、発散があります。粉体シミュレーションを実施したことがある方は、何度も経験されたことがあるのではないでしょうか。計算が発散しない・安定した計算を行う上で重要なパラメータの一つとして、ばね定数があります。
今回は、計算の安定性とばね定数の関係性について解説します!


ばね定数と計算の安定性指標

DEMの計算において、接触力はばねの形でモデル化されています。詳細についてはばねのモデル自体について解説した前回の記事(https://www.sbd.jp/column/powder_vol37.html)や、接触力について解説した過去の記事(https://www.sbd.jp/column/powder_vol9_contact-force.html)をご覧いただきたいですが、粉体シミュレーションとばねの力のモデルは密接に関係しており、その結果、ばねの力がシミュレーション中の粒子の動きに影響してくる形になります。
シミュレーションを安定させるためには、対象物の動きを十分解像できるだけの細かい時間でコマ送りにする必要があります。ばねの動きの時間スケールを見積もるうえで便利なのがばねの“振動周期”になります。振動周期を基準として、その数値を一定数で分割することで時間刻みの指標とすることが多いです。
ちなみに、分割数としては、5~20程度がよく用いられるようです。






なぜばねの指標で計算が安定するのか?

なぜこの指標で安定するのか、もう少し深掘ってみましょう。繰り返しになりますが、粉体のシミュレーションでは接触力を考慮するために”ばね”のモデルを採用しています。したがって、「大きな変位で大きな力になる」というモデルになります。なお、シミュレーションでは粉体の干渉量を変位として考えています。
時間の刻みが粗い場合、突然大きな干渉量になるために想定以上に大きな力がはたらき、不安定になってしまうという理屈なのですが、この干渉量が大きくなっていくときの時間がそのまま振動周期の考え方に紐づきます。粒子が接触を始め、最大の干渉量となり、接触が終了するまでの時間がばねの振動の半周期分の時間になるイメージです。



このように、接触力をばねでモデル化していることにより、ばねのモデルをベースに時間決定の指標を見積もることができるようになっています。


【さいごに】

今回は、ばね定数と計算の安定性について解説しました。計算モデルとして、接触力をばねの形でモデル化しているため、安定性の目安指標としてばねに関する理論を活用しています。


[From S. Kato]


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