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技術コラム

【粉体】Vol25. DEMを用いた粉のシミュレーション:時間刻みと安定性

2024年02月15日

実際に粉体シミュレーションを使用していくと、多くの方が直面する課題があります。中でもよく発生する失敗として、設定ミスによる「粒子の発散」があります。この発散の発生原因を理解することでどの設定値をどのように変更すれば良いかが見えてくると思いますので、粉体シミュレーションの活用法という立ち位置で解説してみようと思います!


粒子が発散する原因

原因を考える前に、発散するという動き自体について考えてみます。粉体シミュレーションの中でよく起こる発散は粒子の集団が爆発するような挙動となります。言い換えると、「粒子の速度が速くなりすぎている」状態です。
次になぜ速くなりすぎるかについての原因に迫っていくのですが、粉体シミュレーションの計算自体から見ていく必要があります。粉体シミュレーションの中で粒子同士の接触力を考える場合、粒子の干渉量に比例する力(フックの法則)として計算されます。なお、この時の比例定数がばね定数となります(粉体シミュレーションにおける接触力の計算についてはこちらの記事をご覧ください。
従って、ばね定数が大きいもしくは干渉量が大きいときに反発力が大きくなり、次の瞬間には大きな速度を持ってしまうということです。





時間刻みと安定性

発散する原因が反発力にある、さらには干渉量に比例する力が原因であることが分かりました。ではなぜ干渉量が大きくなるのか。。。
原因としては時間刻みにあります。原因から発散現象まで順番に見ていくと下記のようになります。

① 時間刻みの設定が大きすぎる場合、1回のステップで粒子が大きく移動する
② 突然干渉量が大きくなってしまう場面が発生する
③ 干渉量が大きくなることにより反発力が大きくなりすぎる
④ 発散につながる

裏を返すと、適切な時間刻みを設定していれば急に反発力が大きくなりすぎることは無く、適切な反発力となるため、安定した解析につながるということになります。





なお、少しマニアックになりますが、時間刻みの決定方法が求められています。こちらの記事で紹介しておりますので、ご興味ありましたらご覧ください。


さいごに

今回は粉体シミュレーションを実際に使用する時に直面する発散について、中でも原因となることが多い時間刻みについて解説しました。時間刻みが粗いと発散する理由はイメージいただけましたでしょうか。
実際にシミュレーションを使用している方は頻繁に直面する挙動だと思いますので、少し意識していただけると上手な設定に一歩近づけると思います!


[From S. Kato]

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