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【粉体】Vol16. DEMを用いた粉のシミュレーション:境界条件

2022年12月15日

シミュレーション対象の外部領域の取り扱い

シミュレーションを行う上では特定の領域のみを対象としたシミュレーションを行うことになります。この注目した領域内でどのような現象、挙動となるのかを模擬することがシミュレーションとなります。その際、「シミュレーションを行う対象外の領域がどのような状態であるか」ということも重要な要素となります。周りが高温の状態と低温の状態を比較した場合、対象領域内部の温度分布も異なるという例はイメージしやすいでしょうか。

境界条件はなぜ必要なのか

シミュレーションを行う際には「微分方程式から解を定める」という作業を行っています。この操作について、下記のような簡単な微分方程式の例で考えてみます。



この微分方程式の両辺を積分して解を求めると、下記のようになります。



ここでのCは積分定数であり、この定数が異なる場合でも微分方程式を満たしてしまいます。これによりCが複数認められ、解が1つに定まらない状態となっています。



解を一つに定めるためにはCを決定する必要がありますが、そのために条件を与えます。よく用いられる条件は領域の端、つまり境界で与えられることが多いため、境界条件と呼ばれています。
このように、「微分方程式の解を1つに定めるために境界で与えられる条件」が境界条件というものです。

境界条件の種類

条件と言っても様々な与え方があります。中でも代表的なものを3つご紹介します。

・ディリクレ境界条件
境界における値をそのまま指定する方法がディリクレ境界条件と呼ばれる方法です。速度〇m/sや圧力〇Pa等がこの条件にあたります。

・ノイマン境界条件
値がどのように変化するか(値の勾配)を指定する方法がノイマン境界条件と呼ばれる方法です。速度の勾配が0(境界面と同速度で動く)という条件や、温度の勾配が0(境界面と同温度になる)という条件等がこの条件にあたります。

・周期境界条件
2つの境界面を指定し、それらの値が等しくなるという設定を行う方法が周期境界条件と呼ばれる方法です。2つの境界面で値が等しいということは、A面から出たものがそのままB面から入ってくるという設定ですので、周期的な挙動となっているものの一部分を切り取ったような解析を行うことができます。



さいごに

今回はシミュレーションを行う際に必要となる考え方、【境界条件】の基礎を解説しました。対象領域の外がどのようになっているかによって適切な条件が異なりますので、境界条件を上手に選択していただけたらと思います。
次回は境界の中でも壁にフォーカスを当て、壁面の認識について解説します。お楽しみに!

[From S. Kato]

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