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技術コラム

【粉体】Vol17. DEMを用いた粉のシミュレーション:物体認識手法 符号付距離関数(SDF)

2023年02月02日

シミュレーションにおける物体の取り扱い

シミュレーションを行う上で欠かせないのは材料を貯蔵するための容器や混合するための撹拌羽根等、”装置形状・部品の読み込み”です。物体を読み込む上で様々な手法がありますが、それぞれの手法により得意・不得意があります。
今回は、シミュレーションにおいて物体を認識するために使用される手法の一つである【符号付距離関数(SDF : Signed Distance Function)】の特長について解説します!

符号付距離関数(SDF)とは?

符号付距離関数(SDF : Signed Distance Function)とは3Dの物体をコンピュータ上で認識する方法の一つとなります。どういう手法かというと、”計算領域に配置した点に値を持たせ、その値を参照することにより物体認識を行う”というものになります。
値としては、下記の式に従って計算されています。



式としてはシンプルなもので、「物体の内外により決まる正負の値」と「物体の表面までの距離」を掛け合わせたものになります。この値を参照することにより、各点が物体内外のどちらにいるのか、表面までの距離はどの程度なのかを認識することができるようになります。



符号付距離関数(SDF)のメリットは?

様々な手法がある中でSDFを使う特に大きなメリットは「物体の認識操作がとても簡単!」であることが挙げられます。あらかじめ計算領域内にマッピングされた点に対して物体表面までの距離を入力していくだけなので、形状による調整が不要になります。
従って、ユーザー側としては3DCADデータをインポートするだけで物体の認識を行うことができます!



その他にも
・回転、並進等の物体移動を高精度で扱うことができる
・流体―粉体の混相流体系でも類似手法による物体認識を行うことができ、比較的容易に設定を行うことができる
というような様々なメリットがあります。 例として、下記に2つの解析イメージ(金型充填事例、スクリューや空気での粉体搬送事例)を載せました。様々な形状の物体を取り扱うことができることはもちろん、物体の並進・回転を自由に扱うことができたり、空気が関連する混相流体系も物体を認識しながら解析を行うことができています。

金型充填事例 スクリューや空気での粉体搬送事例


さいごに

今回は物体の認識方法の一つであるSDFについて解説しました。この手法により、シンプルに・簡単に物体を読み込むことができるようになっています。物体の動きの表現にも長けていて、並進や回転も容易に高精度に取り扱うことができます。
次回は粉体シミュレーション手法であるDEMの中で実粉体をどのように模擬するかについて解説したいと思います。お楽しみに!

[From S. Kato]

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