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【構造】製品設計/強度設計の基本講座シリーズ vol.7 有限ひずみ

2020年10月01日

前回は、変形勾配テンソル F を使って、物質点 X 近傍の微小ベクトル ΔX と、変形後の Δx の関係を定義しました。
今回は前回定義した微小ひずみに対し、ストレッチ分を表す変形前後のスカラー量の変化率を抽出する有限ひずみを定義を見ていきます。

体積の変化率ヤコビアン

今、基準配置 B0 の一つの物質点 X 近傍において、3つの微小ベクトル dX1dX2dX3 で定義される微小平行六面体を考えます。
すると、変形後の現在配置 Bt での微小六面体は、以下の3つの微小ベクトルで定義されることになります。

3つのベクトルからなる平行六面体の体積は、スカラー三重積の公式によって、以下のように定義されます。

また、上記の両者の関係は、スカラー三重積の性質を使って、以下に変形できます。

とすれば、

となり、Jを ヤコビアン といいます。
Jは微小体積の変化率を表し、変形中に体積がなくなったり負になることはないので、J>0となります。
J=1 のときは体積変化なしの非圧縮変形となります。

面積の変化率

次に、2つの微小ベクトルで定義される以下のベクトルを考えます。これを面積ベクトルと定義します。

 ~ ここで、N,nは、2つのベクトルでつくる面に垂直な単位法線ベクトル ~

前述の体積の定義から、変形後の微小体積の式は、以下のように記述できます。

一方、

となり、この①、②の式より、


 よって、 


の関係を得ます。ここでF-T は変形勾配テンソルの逆行列の転置行列となります。

スカラーである面積の変化率は、以下の関係となり、やはり変形勾配テンソルを用いて定義されます。

よって、 の関係を得ます。

有限ひずみの定義

このように、変形勾配テンソルによって、微小ベクトル、微小面積、微小体積の変化率を計算できます。
しかし、この変形勾配テンソルには、ベクトルの回転とストレッチを含むものとなっているので、ストレッチ分を表す変形前後のスカラー量の変化率を抽出するために、ベクトルの2乗(ノルム)の変化を定義します。

同様に、以下のようにも定義できます。

これは、局所的な変形による微小線素の長さの変化率、すなわち、ひずみを表しています。

と定義し、微分ベクトルの長さ S の変化を

のように2次形式によってひずみを定義する2階のテンソル量となります。
前回の時に定義した微小ひずみに対して、有限ひずみとも呼ばれます。


[From N. Sahashi]

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