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【構造】デジタル開発での悩ましい問題

2021年10月07日

ものづくりの世界では、CAEを活用したデジタル開発への転換が進められています。
その必要性に疑う余地はないと思いますが、CAE活用のためには、実験や計測も重要となってきます。
いわゆるバーチャルとリアルを上手く融合し、お互いの利点/欠点を補いながら効率よく精度の良い評価モデルを構築していくことが求められます。

CAEの世界では、非線形/動的/破壊問題などへの解析機能の拡大、ソフトウエアの使い易さ、計算機能力の飛躍的な向上など進歩を続けており、理論/実験に次ぐ第3の数値実験などとも言われます。しかし、実物を使った実験とCAEではアプローチが異なります。実験は実物を用意すればパラメータ値など分からなくても結果が得られますが、CAEでは内部で数式モデルを構築しその数式モデルで要求されるパラメータ値を具体的に指定しなければ結果が得られません。逆に数式化された以外の影響は考慮されません。理論だけでは必要なパラメータを完全には決定できないのです。

実験の重要性の一つに材料物性値の同定があります。CAEの中で材料挙動を計算するための物性パラメータをどの様な値にすれば、実際の挙動と一致するかを決めてあげる必要があります。そのパラメータ値が経験的に分かっていたり、過去の実験データなどから推定できたとしてもそこに誤差が生じます。実際に使用する材料の実験値(実力値)が必要となります。また、材料のクライテリアを設定するためには破壊実験をおこなう必要もあります。

もうひとつは、CAE結果の検証です。同様な条件下で行われた実験結果とCAEの解析結果を比較、考察し、モデル化や解析条件のもっともらしさを確認します。また、必要であれば実験結果と合うようにCAE側を修正します。複雑なアッセンブリモデルの場合、すべての部品をモデル化しボルトや溶接、接着等で結合した状態を完全にモデル化することはできません。

その際、ある程度モデルの簡略化を行いますが、その際に誤差を含みそうな部分に調整可能なパラメータ(ばね値、減衰値、質量、摩擦係数など)をモデル化に入れ、そのパラメータを調整して結果を合わせることを行ったりします。その際の注意点としては、実験値も真値ではないということです。実験側の事情(試験機、冶具の影響等)が含まれ、計測にも必ず誤差が伴います。そのような状況で、数値の一致だけを目的にパラメータ同定を行うとその場だけの合わせ込みになってしまいます。

新機種の解析検討を行う際にも使える汎用性のあるパラメータが必要となります。その問題への解決策を示すのは難しいのですが、考え方としては、複数の実験データから一度実験結果をまとめ、傾向分析を行います。そして、その傾向が一致するようなCAEモデルの同定を目指します。傾向が合うことが確認できれば、汎用性のある予測モデルとして使うことができます。また、実験データ群と解析データ群の傾向、分散を一致させる統計的な手法も考えられています。 弊社では、非接触で対象物の変位、ひずみを計測できるDIC計測サービスも行っています。先の材料同定やCAE結果の検証に適している計測方法になります。次回は、DIC計測、データ融合についてもう少し詳細にご紹介していきます。

また、CAEの方では構造解析技術活用セミナーを実施しています。
ご興味のある方は下記サイトをご覧下さい。

<DIC計測紹介>
https://dic.kke.co.jp/

<強度/構造解析技術セミナー>
https://www.sbd.jp/event_seminar/cae_katuyou.html

[From N. Sahashi]

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