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技術コラム

【流体】流れの現象調べ隊 vol.2 ~表面張力編~

2024年10月24日

第1回ではキャビテーションをご紹介しました。
今回のコラムでは、3DEXPERIENCE Works Simulation の Fluid Dynamics Engineer ロール (略して FMK) の表面張力解析機能をご紹介します。


表面張力とは

表面張力とは、液体中の分子間の凝集力によって生じる現象です。液体の表面では、分子が隣接する分子から内向き(液体内部に向かう)の力を受け、液体の表面積が最小になるように作用します。液体内部の分子はあらゆる方向から均等に引っ張られますが、表面の分子は上に隣接する分子がないため、内向きの力をより強く受けます。これにより、表面は張力がかかっているかのように作用し、外部からの力に抵抗します。
表面張力は、液体が表面に移動し、付着する際の挙動に影響を与えます。そのため、液膜の厚さを制御することが重要な表面コーティング工程などでは、重要な考慮事項となります。


表面張力をシミュレートする

今回のコラムでは、3DEXPERIENCE Works Simulation の Fluid Dynamics Engineer ロール (略して FMK) の表面張力解析機能をご紹介します。
表面張力を実証するには、FMK 内で、他の解析機能および物理モデルを有効にする必要があります。


  • ・非定常ソルバー
  • ・自由表面流 (VOF 法)
  • ・重力


解析設定

今回は、水を流体として設定しました。分子間の水素結合により、あらゆる液体の中で最も高い表面張力を持ちます。また、水の液滴がどのように形成されるか動作するかを誰もが簡単に想像できます。
水が管を通って下向きに供給され、重力の影響を受けて平面に落ちるという単純な状態をシミュレートしました。






物理時間の最初の 2 秒間は、水がポタポタ落ちるように、一定6e-7 m3/sの体積流量を設定しました。
最初の 2 秒後、平面に落ちた水が最終的な形状に落ち着く様子をシミュレートするために、体積流量をゼロに設定しました。


解析結果







アニメーションを見ると水滴が球形に近い形になる傾向がはっきりと観察できます。また、体積流量は一定ですが、表面張力によって水が入口で捕らえられ、重力が表面張力を克服できるほど重くなるまで水が一定の流れではなくポタポタ落ちていきます。また、下の平面に落ちた後、水は丸い形に集まります。


表面張力がなければ

表面張力モデルの有無によるシミュレーション結果を比較するために、表面張力モデルを持たない SOLIDWORKS Flow Simulation で同じ解析を実行しました。
以下のアニメーションは、管から計算領域に入る水の動きが明確に異なることを示しています。






SOLIDWORKS Flow Simulation では、流れは主に水の粘性によって制御され、丸い形に溜まりそう動きは見られません。むしろ、水は平面に落ちると薄い膜状に広がります。


まとめ

今回のコラムでは、3DEXPERIENCE Works Simulation Fluid Dynamics Engineer ロールの表面張力モデルを紹介しました。液滴の形成と固体表面への液滴の付着をシミュレートして、事実的な結果が得られることを示しました。


[From Jason Matthews KOK SHUN]


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