今回は、過去のメルマガで好評だった記事から、粒子法+機構解析を用いた「係留状態の浮体揺動」をご紹介します。
係留状態の浮体揺動は、波の高さ、浮体の形状、係留状態などによって、変わります。そこで、今回は、粒子法+機構解析に基づいて係留状態の浮体揺動の解析を行いました。浮体の並進・回転運動、周波数応答、係留にかかる力を調べました。
COLUMN
技術コラム
【粒子法】Vol.24係留状態の浮体揺動
目的
係留浮体の運動を検証します。
周波数応答を検証します。
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_pic1.png)
解析形状
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_pic2.png)
正面
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_pic3.png)
上面
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_pic4.png)
解析モデル
流体物性値
本解析で用いる物性値は以下のとおりです。
流体物性値
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_table1.png)
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_pic5.png)
移動定義
板の振動条件
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_formula1.png)
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_table2.png)
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_pic6.png)
係留の定義
係留をバネで近似します。
・力=(-)
バネの長さ
※[1]では、非線形項を考慮していますが、本解析では考慮しません。
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_table3.png)
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_pic7.png)
その他
解析条件(その他)
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_table4.png)
※浮体の運動は、xz平面に拘束する条件で設定しています。
![](/column/img/flow_particle_vol24_moored-floating-oscillation_pic8.png)
重力方向
解析結果
粒子表示
位置表示(係留非表示) | |
考察
以下の運動とその周波数応答を解析します。
・浮体のx,z方向の並進運動
・浮体のy軸周りの回転運動
・バネの力
考察:浮体の並進運動
周波数のピーク
≃1[]→ω=2π・1≃6[/]
並進(x軸) | 並進(z軸) |
![]() |
![]() |
並進(x軸)、周波数応答 | 並進(z軸)、周波数応答 |
![]() |
![]() |
考察:浮体の回転運動
周波数のピーク
≃1[]→ω=2π・1≃6[/]
回転(y軸まわり) | 回転(y軸まわり)、周波数応答 |
![]() |
![]() |
考察:バネの力
周波数のピーク
≃2[]→ω=2π・2≃12[/]
バネ1の力(x軸) | バネ2の力(z軸) |
![]() |
![]() |
バネ1の力、周波数応答 | バネ2の力、周波数応答 |
![]() |
![]() |
浮体の運動
・周波数のピーク
≃1[]→ω=2π・1≃6[/]
・論文[1]
ω≃5[/]
・[1]とconsistentな結果になっています。
バネの力
・周波数のピーク
≃2[]→ω=2π・2≃12[/]
・論文[1]
1次モードω≃5, 2次モードω≃10[/]
・周波数のピークが論文[1]での2次モードに対応しています。
[1]では、バネの非線形項を考慮し、本解析ではバネの非線形項を考慮してないためと考えられます。
結論
・係留浮体の運動を調べました。
・周波数応答を調べました。
結果
・浮体の運動の周波数のピークは、実験とconsistentな結果になっています。
・バネの力の周波数のピークは、実験の2次モードに対応しています。
・本解析ではバネの非線形項を考慮してないためと考えられます。
[原文: ひっつきもっつき 転載:M.Kawahara]
参考文献
[1] 笹原 裕太郎、増田 光弘、南 清和、増田 光一、係留浮体の波浪中応答解析に対するMPS 法の適用性に関する研究(第二報)、第128回講演会(2013年5月30日,31日) 日本航海学会講演予稿集 1巻1号
[2] 増田 光弘、笹原 裕太郎、南 清和、増田 光一、係留浮体の波浪中応答解析に対するMPS法適用性に関する研究
使用ソフトウェア(Particleworks)
・ 流体解析ソフトウェア Particleworks (パーティクルワークス)製品ページ
https://www.sbd.jp/products/flow/particleworks.html
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