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技術コラム

【粒子法】Vol.17 スロッシングの実験・解析

2023年02月16日

以前の【粒子法】コラムVo.15では、地震波によるタンクスロッシングに関する解析と評価結果を行いました。
今回のコラムでは、振幅と振動数を変化させた実験と解析によるスロッシング評価の妥当性検証を行いました。

解析の概要

矩形水槽のスロッシング解析、実験を行い解析結果の妥当性検証を行いました。

 ・ スロッシングの振幅一定、固有振動数を1, 1.5, 2倍と変化させた際の挙動を確認しました。
 ・ スロッシングの固有振動数一定、振幅を1, 2, 3倍と変化させた際の挙動を確認しました。

実施内容
 ・ 液体の入った水槽に正弦波の振動を与えます。
 ・ 初期液面を0mmとした、時刻内の最大の液面高さを評価します。
 ・ 実験では動画を撮影し、目盛りから液面高さを取得しました。
 ・ 解析では液体粒子の座標情報から液面高さを算出しました。

矩形水槽の固有振動数

矩形水槽のn次の固有振動数は以下の式[1][2]から得られます。



f:矩形水槽のn次の固有振動数[Hz]
n:n次モード振動数[-]
g:重力加速度[m/s2]
L:加振方向の幅[m]


対象水槽の固有振動数
 ・ 1次モード:1.99[Hz]
 ・ 2次モード:3.61[Hz]

解析モデル



物性及びパラメータ



解析ケース


1次モードの固有振動数1.99[Hz]の1, 1.5, 2倍



振幅4[mm]の1, 2, 3倍


解析結果(振動数1~2倍)

上段:実験、下段:解析



解析結果(振幅1~3倍)

上段:実験、下段:解析



結果評価

いずれのケースにおいても液面変動のタイミング、最大液面高さが、解析結果と実験結果が一致していることを確認しました。

振動数
 ・ 今回の水槽の固有振動数1.99Hzで振動させた際、液面高さが最も高いことを確認しました。
 ・ 振動数3.98 Hzでは、2次モードの固有振動数に近いため、振動数2.99Hzよりも液面高さが大きくなったと考えられます。
 ・ 固有振動数から振動数を1.5倍にずらすことで液面高さを半分以下の値に低減されることを確認しました。



振幅
 ・ 振幅が大きくなるほど液面高さが高くなることを確認しました。
 ・ 振幅(運動エネルギー)が大きくなることで、液面高さ(位置エネルギー)が大きくなったと考えられます。



まとめ

今回のコラムでは、矩形水槽のスロッシング現象を解析と実験を対象としました。
以下のような結果が得られました。

 ・ 実験と解析結果の妥当性確認
   →最大液面高さ、液面変動のタイミングが実験と解析で一致することを確認しました。

 ・ 加振条件違いの液面。 
   →対象水槽の固有振動数から振動数が離れると液面高さが小さくなることを確認しました。
   →振幅が大きくなるほど、液面高さが大きくなることを確認しました。

[From H.Yazawa]

参考文献

[1] 池田, 井田, 平野, 佐藤 : 矩形断面容器におけるスロッシング対策案の検討, 応用力学論文, Vol.11, pp.549-556, 2008.
[2] 葉山, 有賀, 渡辺 : 長方形容器におけるスロッシングの非線形応答, 日本機械学会論文集, 49巻437号, 1983.

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