解析を実施する上での注意点を少しずつ解説しています。今回は管流れの境界条件についてです。
管流れの境界条件は各開口部に速度または圧力を定義します。1つの開口部に両方を定義することはできません。また、必ず1つの開口部には圧力を定義する必要があります。
速度を定義する場合、実際に入力する値は以下が選択できます。
・質量流量
・質量流束
・体積流量
・速度
・マッハ数
注意する機能として「十分に発達した流れ」という選択肢があります。これは、流入面に境界層が発達した状態の速度分布を自動的に設定する機能です。
この機能を使用しない場合、流入面の速度分布は境界層がない一様な速度分布になります。流入面から流れに沿って境界層が発達します。解析上では管の途中を抽出して解析していますので、この間の速度分布は実際の速度分布とは異なり、評価に使えない区間となります。そのために、この区間を解析モデルの手前に追加して解析することがあります。
管流れの場合には「十分に発達した流れ」を使うことで、この解析用の助走区間を設ける必要がなくなります。
一方の圧力を定義する場合には以下の選択肢があります。
・環境圧力
・静圧
・全圧
「環境圧力」は、流入の場合は全圧、流出の場合は静圧となる、壁面の開口部のための機能です。そのため、管流れの解析には適していません。「静圧」または「全圧」のどちらにするかは、測定している圧力がどちらなのかによって判断してください。
[From Y.Iijima ]
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