前回は、処置優先度(AP)についてご紹介しました。今回は、FMEA-MSRをご紹介します。
AIAG-VDAの規格で定められたFMEAは、設計FMEA、工程FMEA、そして本日ご紹介するFMEA-MSRの3種類あります。設計FMEAは製品の設計段階にフォーカスをおいたFMEA、工程FMEAは製品の製造工程にフォーカスをおいたFMEAですが、FMEA-MSRはどのようなFMEAなのでしょうか。
FMEA-MSRは、日本語で監視およびシステム応答の補足FMEAといいます。MSRはMonitoring System Responseの略です。設計FMEA・工程FMEAが製品の設計段階・製造段階で実施するのに対して、FMEA-MSRは市場の顧客運用条件下にフォーカスをおいて分析を実施します。
分析対象は、自動車の電子制御システムです。自動車の電子制御システムの役割は、故障原因である障害の発生を監視し、障害が発生した場合には検知して、大きな故障(事故)が起こらないようにすることです。FMEA-MSRの評価ポイントは、エンドユーザーが自動車を運転または整備しているときに、故障原因または故障モードがシステムによって検出されるか、そして故障影響がエンドユーザーによって検出されるかということになります。
COLUMN
技術コラム
【リスクマネジメント】vol.7 FMEA-MSR

FMEA-MSRは設計FMEAの後に実施します。7ステップアプローチで設計FMEAを実施した後、FMEA-MSRとしてのSTEP5リスク評価、STEP6最適化を実施します。
STEP5では、電子制御システムが、故障の原因である障害の発生を監視し、障害が発生した場合に検知して、大きな故障が起こらないようにできているか評価するため、障害の発生頻度(F)と監視度(M)の程度を決定します。STEP6では、追加の予防処置と診断監視の処置を計画して実施し、処置後の処置優先度(AP)を再評価します。
次回は、基礎FMEA及びファミリーFMEAや5つの「T」など、AIAG-VDA FMEAの残りの改訂ポイントをご紹介します。
参考文献
・Automotive Industry Action Group(全米自動車産業協会)、AIAG&VDA故障モード影響解析-FMEAハンドブック英日対訳版-、一般財団法人日本規格協会、2019年
[From Y. Komiyama]
構造計画研究所は、設計・製造の情報連携を基盤とした品質のデジタルアセット形成、統計的品質管理をトータルに、最適なソフトウェア・ツールとともにご支援することで、IATF16949 で要求されるグローバル基準の不具合未然防止と継続的改善を目指すお客様をサポートしております。
第1・第3木曜日配信!
SBDメールマガジンより、
最新の技術コラムをお届けします。
Analysis Case
解析事例
Analysis Case
解析事例
解析事例


Topics
トピックス
イベント・セミナー
シミュレーションに関するイベント・セミナー情報をお届けいたします。
2024年10月08日
2024年08月27日
2024年08月26日
トレーニング
SBD製品各種の操作トレーニングを開催しております。
2022年11月02日
2022年03月04日
2022年03月04日
技術コラム
シミュレーションに関する基礎知識や、製品の技術的なノウハウが満載の技術コラムをお届けいたします。
2024年10月01日
2024年10月01日
2024年09月24日
Topics
トピックス
トピックス


イベント・セミナー
シミュレーションに関するイベント・セミナー情報をお届けいたします。
2024年10月08日
2024年08月27日
2024年08月26日
トレーニング
SBD製品各種の操作トレーニングを開催しております。
2022年11月02日
2022年03月04日
2022年03月04日
技術コラム
シミュレーションに関する基礎知識や、製品の技術的なノウハウが満載の技術コラムをお届けいたします。
2024年10月01日
2024年10月01日
2024年09月24日