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技術コラム

【リスクマネジメント】vol.5 7ステップでより堅牢なFMEAを

2021年04月01日

前回は、最新版FMEAフォーマットである「AIAG&VDA FMEA」についてご紹介しました。
今回はAIAGVDA FMEAのキーポイント、7ステップの解析手順をご紹介します。

ハンドブックの改訂で最も注目すべき点が、FMEA実施における新しい解析手順「7ステップの解析手順」です。
この7段階の解析手順により、製品ライフサイクルに関連する各部門のナレッジをリレーし、「効率」「効果」的に一貫性のあるFMEAを実施可能になります。

ここで気になるのが、そもそも従来のFMEAは何段階だったかということだと思います。
旧版FMEAは明確にステップがわかれているわけではありませんが、一般的にはおそらく、
「計画及び準備」⇒「故障モード抽出」⇒「影響解析」⇒「文書化」の4段階になります。
今回の改訂では、3つの前工程「構造解析」「機能解析」「故障解析」が追加されたことで、計7段階となりました。

AIAG VDA統合FMEAの7ステップ

図1 AIAG VDA統合FMEAの7ステップ


FMEAを作成する前に構造解析、機能解析、故障解析を実施することで、顧客要求・法令・開発・設計・生産技術など各関係部門のスペシャリストのナレッジをつなぎ、正確かつ見落としなく網羅的にリスクを洗い出すことができるようになります。
見落としがないといえる根拠は、フォーカスレベルだけでなく、上位レベル・下位レベルにも焦点を当て、リスクを総合的にレビューできるからです。
FMEA実施対象を含んだシステム全体の構造をツリーで定義し、機能の関係をツリー上でつなぎ、故障の関係をつなぎます。(図2、図3、図4参照)

構造ツリー

図2 構造ツリー


機能ツリー

図3 機能ツリー


故障ネット

図4 故障ネット


このようにツリー上で構造・機能・故障を解析することで、システム全体の故障関係がツリー上に可視化されます。
黄色いセルがフォーカスレベル(FMEA分析対象)となり、このレベルの故障がFMEAにおける「故障モード」となります。
またフォーカスレベルより左側が上位レベルで、このレベルの故障がFMEAにおける「故障影響」になります。

さらに、フォーカスレベルより右側が下位レベルで、このレベルの故障がFMEAにおける「故障原因」となります。
システム構造が考慮されたこの関係性を反映することで、抜け漏れのないFMEAが実施可能となるのです。

次回は、処置優先度(AP)についてご紹介いたします。

参考文献
 ・Automotive Industry Action Group(全米自動車産業協会)、
  AIAG&VDA故障モード影響解析-FMEAハンドブック英日対訳版-、一般財団法人日本規格協会、2019年
 ※図2~図4の画像は弊社ソリューションSTATUREの画面になります。

[From Y. Komiyama]

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