【粉体】粉体シミュレーションの解析事例vol.10　ホッパーの解析事例II

2021年07月01日

今回もホッパーの設計検討事例をご紹介させていただきます。

排出プロセスの解析事例

背景
前回は、ホッパーの排出プロセスに対して、ホッパーの角度が偏析状況へ影響することを確認しました。
ホッパーの偏析は粒子の水平方向の速度勾配に影響されるため、速度勾配が発生しにくいモデルを検討します。
設計検討の段階でシミュレーションを利用すると非常に簡単に評価できると思います。

目的
速度勾配を考慮したホッパーのモデルを検討します。

解析モデル
下記のようにホッパーの内部に壁が存在する（速度勾配を考慮したモデル）と存在しないモデルを計算しました。２ケースとも同じ粉体材料を使用します。

解析結果および考察

各ケースの粉体挙動結果は以下になります。

ホッパー内に残っている粒子の体積（割合）を横軸に、赤い粒子の体積割合を縦軸に設定しました。
赤い粒子の体積割合が50%になるように設定しているため、50％から外れると偏析が発生したことになります。
その結果、壁ありのケースは壁なしのケースより偏析していないことが分かりました。

また、ホッパーの内の粒子の速度の結果は以下になります。壁ありの方では、速度勾配が小さいことが分かりました。

解析動画　左：壁あり

右：壁なし

この様な設計検討案は、シミュレーションで簡単に評価することができます。

[From L. Chiew]

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