今回のテーマは「粉体」です。奥深い粉体の世界へいざないます!!
◆粉の活躍舞台
粉は、多くの業界で現れます。
建設業界では、土砂、化学・産業機械業界では、固形の樹脂、製薬業界では、原材料の粉末成分、農業業界では、穀物として登場します。
これらすべて「粉体」として扱うことができます。
次にシミュレーションではどのように扱うかをご紹介します。
◆粉体のシミュレーション:DEM(個別要素法)
粉体のシミュレーションは、工学の分野ではDEM(個別要素法)という手法が一般的に使用されます。
粉体の相互作用をバネで置き換えて解く方法です。
◆粉体現象の代表例
DEMを用いたシミュレーション事例としては、以下があります。
▶穀物や樹脂(固体状態)の搬送
粉体の物性によって、搬送量が変わる様子をシミュレーションできます。
▶液体粉体攪拌
液体と粉体の混ざり具合をシミュレーションできます。
▶粉の洗浄
洗浄液による粉の洗浄をシミュレーションできます。
◆粉体の物性値
以降、DEMのシミュレーションを行うときに重要なパラメータについてご紹介します。
従来Particleworksに搭載されていた粉体機能は、粉体解析ソフトウェアGranuleworksとして、大幅に機能アップしました。(2018.02.06追記)
▶摩擦係数
粉同士の摩擦係数が実測できない場合があります。
このとき、粉体の摩擦係数を簡単に見積もる方法があります。
砂を積み上げて砂山を作ったときの砂山の角度と砂の摩擦係数の関係を例に挙げると以下です。
\begin{align*} \begin{array} &\mu_{s} &= \tan\theta\\ &\mu_{s} : 粉体間摩擦係数\\ &\theta : 傾斜角\\ \end{array} \end{align*}
一般的な砂の場合、傾斜角は約30度です。
そのため、摩擦係数は約0.6になります。
ただし、この方法はあくまで簡易的な方法です。
実験で測定可能な場合は、実測値を使用してください。
※ただし、傾斜角は厳密には安息角とは異なります。傾斜角と安息角の差は小さいことも多いため、ここでは傾斜角と安息角を区別せず使用しました。
▶反発係数
一般的な砂の場合、0.7~0.9が目安です。
▶粉体に関する物理量・無次元数
流体と粉体の現象をあらわす無次元数として「Bagnold数」という値があります。
Bagnold数によって、粉体と流体の相互作用において、粉体間の相互作用または流体による抵抗力のどちらが支配的かどうかを見積もることができます。
流体力学でのReynolds数と似た概念です。
\begin{align*} \begin{array} &B & \simeq & \frac{m\gamma}{2\lambda_{e}\eta}\\ \gamma & = & \frac{\partial v}{\partial z}\\ \end{array} \end{align*} \begin{align*} \begin{array} &m & : & 粒子質量[kg]\\ \gamma & : & せん断率[1/s]\\ \lambda_{e} & : & 粉体直径Dの数倍程度O(D)[m]\\ \eta & : & 粘性係数[Pa \cdot s]\\ v & : & 粉体速度[m/s]\\ z & : & 深さ[m]\\ \end{array} \end{align*}
◆参考文献
J. デュラン 著 「粉粒体の物理学」 吉岡書店
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