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「解析なんでも相談室 vol.2」 ~よくある質問・疑問にお答えします!~

2021年08月19日

解析について、よくお問合せ頂くご質問や素朴な疑問をご紹介いたします!
今回は、流体と粉体のご質問となります。ご参照ください。

(ご質問)
粉と気流の挙動を検討したいのですが、 「流体解析」 もしくは「粉体解析」 で解析検討ができると聞きましたが、どう違うの??よくわかりません?教えてください!

(ご説明)
確かに、 「流体解析」 もしくは「粉体解析」で解析検討できますが、実施できる内容が異なります。これより順にご説明いたしましょう。 まず、一般的な「流体解析」では、「気体の流れ」解析と疑似的な「粉体」の挙動検討が実施できます。具体的には、気体の流れを解析計算実施した後に、その気流に質量を持った「粉」粒子が入った場合に、どのような挙動をするか疑似的な計算(粒子計算、粒子スタディ)を実施することができます。
これにより、重い粉体は下に落下する方向となり、軽い粉体は気流に乗って遠くまで飛ぶ方向となります。また、壁面にぶつかった際の反射を考慮することも可能です。
ただし、粉体と粉体のぶつかりは、考慮できません。このため、粉体は疑似的な計算となりますが、解析時間は比較的短く、速く計算できるメリットがあります。

わかりにくいと思いますので、具体的な例として、下記の適用事例①をご参照ください。

※ちなみに、こちらは、解析手法としては有限体積法。計算領域分割(メッシュ分割)して計算点を固定して計算する手法となります。

■適用事例 ① 「気流と粉体の挙動検討」 
(解析ツール):熱流体解析「SOLIDWORKS Flow Simulation」「Simcenter FLOEFD」
(事例内容):
 ・ [図-1] 空気の流れを解析計算
 ・ [図-2] その後に質量の異なる2種類の粉体の挙動を疑似計算

◆ [YouTube動画]
・検証01 サイクロン分離機:(流体解析)「SOLIDWORKS Flow Simulation」「Simcenter FLOEFD」





[図-1]

[図-1] 空気の流れを解析計算

[図-2]

[図-2] その後に質量の異なる2種類の粉体の挙動を疑似計算

次に、「粉体解析」の場合ですが、この粉体解析の中でも気流(気体)と粉体(固体)の2つ属性が解析計算できる「混相流解析」であれば検討実施できます。

こちらは、「気体の流れ」と「粉体」の挙動、それも粉体(固体)と粉体(固体)のぶつかり(衝突)や壁面反射も考慮して一緒に計算実施できます。具体的には、集まっている多くの「粉体」に気流があたり、粉体が動かされ、粉体と粉体がぶつかりながら移動します。これにより、気流も影響され流れが変化します。そうすると、また粉体が動き…..(繰り返し)……

このように粉体と気流が相互に影響を受けながら変動する相互作用を考慮した計算実施ができます。また、粉体同士の摩擦や壁面摩擦の考慮、付着力の効果も考慮することができます。
そのかわり、膨大な粉体の衝突計算等も実施するため、解析時間が比較的多く必要となってしまいます。

やはり、わかりにくいと思いますので、具体的な例として、下記の適用事例②、適用事例③をご参照ください。

※ちなみに、こちらは、粉体の解析手法としては個別要素法などと呼ばれており、メッシュ分割不要の手法で、計算点が移動しながら計算する手法となります。

■適用事例 ② 「気流と粉体の挙動検討」 
(解析ツール):粉体解析(混相流解析)「iGRAF」
(事例内容) :多くの粉体を気流で撹拌。(粉体と気流の相互作用、粉体同士の衝突も考慮)

◆ [YouTube動画]
・流動層 Fluidized: 粉体解析「iGRAF」






■適用事例 ③ 「気流と粉体の挙動検討」 
(解析ツール):粉体解析(混相流解析)「iGRAF」
(事例内容) :多くの粉体を気流で搬送。(粉体と気流の相互作用、粉体同士の衝突も考慮)

◆ [YouTube動画]
・ 気流搬送 Pneumatic Conveyor:粉体解析「iGRAF」  





まとめ

・「流体解析」は、気流の流れを計算し、粉体の挙動も疑似的に計算実施ができます。ただし、粉体同士の衝突までは考慮できませんので、気流が支配的な場合の適用がお勧めとなります。
気体の流れの影響が大きい現象(気流が支配的な現象)で、粉体のぶつかりまでは考慮しなくても許せる場合は、流体解析で十分検討ができます。また、粉体は疑似計算となりますので、解析時間は比較的短く、速く計算できるメリットがあります。
ざっくり言うと、気流で少ない粉が動く挙動を検討したい場合は、概ね流体解析で十分となります。

・「粉体解析」では、気流の流れと粉体同士の衝突だけでなく、気流と粉体の相互作用も考慮した計算実施が可能となります。このため粉体が支配的な場合の適用がお勧めとなります。
ざっくり言えば、「多くの粉が、気流でどんな動きをするか?粉と粉のぶつかり(衝突)も考慮して検討したい!」と言う場合となります。

参考となりますが、どちらのツールも設計者向け解析ツールとなっており、現状で3次元CADにアドイン(完全統合)製品となりますので、CADと同様の操作性で比較的簡単に解析実施できる点も大きなメリットとなっております。

さて、「流体解析」と「粉体解析」の[気流+粉体]の混相流解析の違いについて、ざっくりご説明させて頂きましたが、お分かりいただけましたでしょうか?
解析検討されたい目的に合わせて、適材適所で上手く活用しましょう!!

[From T.Yamamoto]

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