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技術コラム

【流体】粒子法あれこれ vol.7|ギアのオイルかきあげ

2019年11月07日

「ギアのオイルかきあげ」についてお話させて頂きます。


よく粒子法の事例としてご覧になる方も多いかと思いますが、これまでの解析手法では解析出来なかったオイルの飛沫の挙動を計算することが出来ます。それにより実機ではなかなか見ることが出来ないエンジン内のオイルの挙動を可視化し定量的に評価することが出来ます。


新規モデルの設計や既存のモデル修正に際し最適なオイル量の検討や、回転数による違い、また邪魔板等の効果を評価頂けます。何より見た目のインパクトが大きく、プレゼン資料などにも効果的にお使い頂けます!


一方で実機との比較や精度検証に関しましては、解析的なテクニックも必要になってきますので、非常に奥深いテーマでもあります。今回は解析時のポイントなどをご紹介いたします。


◆なぜ粒子法でギアのオイルかきあげ?


従来のメッシュ法で解析しようとした場合、ギア付近ではメッシュを細かく切る必要があり、全体としてメッシュ数が多くなってしまい解析が困難でした。またしぶきが挙がると予想される部分もあらかじめメッシュを細かく切る必要があるなど非常に手間がかかっていました(汗)。


一方粒子法では、液体部分を粒子の集合体として設定するだけで、粒子一つ一つが自由に動けますので簡単に飛沫の挙動を計算出来ます。またギアの回転等移動定義も容易に行えます!それに加えて本ソフトParticleworks(以下Pw)では「表面張力」と「乱流」の計算が行えますのでギアのオイルかきあげの解析に適しています。


▶「表面張力」:
ギア回転時に液体がどのようにギアに付着するのかを見ることが出来ます。 それによる、飛沫具合やトルク値への影響を検証することが出来ます。


▶「乱流」:
ギアの回転数が数千[rpm]と非常に高回転になりますので、周辺の流れの解析は乱流計算が必須になってきます。



ギアのオイルかきあげ


◆ギアのオイルかきあげの評価ポイント


評価ポイントとしましては以下になります。Pwでの機能と併せてご紹介いたします。


▶かきあげ量
▶液高さ
▶トルク



かきあげ、液高さに関しましては結果として目で確認頂けます。また定量的な評価に関しましては任意領域の物理量や粒子数を抽出できるプローブ機能により計算することが出来ます。
Pwでは各モデル形状に対してトルク値を算出することが出来ます。この値を用いて液量や回転数の違いによるトルク値の変化を評価頂けます。


●トルク値の算出方法


形状モデルと相互作用した全ての粒子に対して「粒子が形状モデルから受けた力」と「形状モデル中心からの距離」の外積として計算されます。


▶「粒子が形状モデルから受けた力」:
回転体の回転によって各粒子に生じた加速度に各粒子の質量をかけたもの。
その際のトルクの出力項目としましては、圧力、粘性、表面張力各項の値とその合算値が出力されます。その値よりトルク値に起因している項目を評価頂けます。
また出力されるデータは自重によるトルクを含んでおりませんので、実験などと比較される場合は、実験結果から液体のない状態での空トルクを引いた値をご使用下さい。


◆Particleworksで解析する際のポイントは?


先ほど述べた評価ポイントを検討するに当たりParticleworksの解析上重要になってくるのが以下項目になります。


▶粒子サイズ:
ギア等の形状が複雑になってきますので、ケースとギアとの隙間に3粒子以上入るような粒子サイズを設定下さい。


▶液面振動:
液量が多い場合、液面振動が発生いたしますので、液面振動抑制モデルをお使い下さい。


その他以下項目を調整し検討を行います。


▶接触角(表面張力計算)
▶スリップ率
▶クーラン数



実際にこの値と決まっているわけではなく、同じギアのオイルかきあげの事例でもモデル等によって変わってきますので、恐れ入りますが適宜検討頂ければと思います。


今回は概略的なお話でしたが、実際にどのように….という場合は、お気軽にサポートまでお問い合わせ下さい。
また併せて弊社でも検証を行っておりますので、資料等のご要望も承ります。

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