粒子法は様々な分野で適用されていますが、今回は「はんだ」への適用を紹介いたします。
「はんだ」と言えば、「電子回路のはんだ付けをやったことあるな~。」という方も多くいらっしゃると思います。
私も学生時代に電子回路のはんだ付けを行って、特定の信号を出力する回路を作成したことがあります。
そのときはなかなかうまくはんだ付けできず、はんだをつけすぎてダマになったりして、うまく電流が流れなかった経験があります。
(そのときは奇跡的に一回だけうまく出力したい信号が現れ、その結果を使ってなんとかレポートを提出しました。。。)
実際の製品でも、はんだ付けの不良によって、電流が流れなかったりなど製品の不良につながることがあります。
では、「どういった原因で製品不良になるのか?」、「はんだとはどんな流体なのか?」、流体の観点からお話いたします。
■はんだ付けにおける課題・品質
現状のはんだ付けにおける課題には以下のようなものがあります。
試行錯誤による手戻り
ミクロな現象のため実現象が観測しづらいです。
特に具体的にどのような現象が起きているのかが把握しづらいです。
精密化:基板の小型化(高密度実装)とマイクロソルダリング(微小はんだ付け)
精密化により実装条件が、はんだ物性や環境条件に影響を受けやすくなります。
それではここから「はんだ」と「粒子法」の関わりを詳しく説明いたします。
■はんだ付けの故障因子と欠陥
はんだ付け不良の因子には大きく分けて4つあります。
機械的
因子:疲労、熱疲労
欠陥:ブリッジ、つらら
電気的
因子:ジュール熱・熱疲労
欠陥:ブリッジ
化学的
因子:腐食
欠陥:変色
物理的
因子:濡れ性
欠陥:濡れ不良
「物理的」因子のはんだの濡れは、実装過程において特に重要になってきます。
流体解析が活躍するのは、この「物理的」因子である表面張力・濡れ性です。
ここからは「なぜ表面張力・濡れ性が重要になるのか?」などはんだの物性についてお話いたします。
■はんだの物理的特性
はんだは表面張力・粘性が共に重要になります。
表面張力
はんだは一般的に表面張力が大きく、水の5倍くらいあります。
接触角
はんだが基板にどれくらい濡れるかを決定します。
液体を板にポタリと落とした時にできる半球の傾きの角度です。
はんだと基板の種類によって値が変わります。
粘性
粘性(非ニュートン流体、チキソ性)が状況に応じて変化します。
自由表面流れ
はんだ流れは液体表面の流動性が高く、自由表面が得意な粒子法が適用しやすい手法です。
ただし、物性を実験的に正確に実測するのはなかなか難しいようです。
逆にシミュレーションでは、パラメータをいろいろ設定できるので、仮想的な実験をすることができます。
いろんな値を設定して実験と比較することも重要です。
■はんだのシミュレーション事例
はんだの事例は様々あります。
★フローはんだ
★リフローはんだ
★セルフアラインメント現象
★マンハッタン現象
★ディスペンサーによるはんだ塗布
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