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データ管理

これから始めるデータ管理  ~過去PDM導入を諦めた中小企業様へ、クラウドで変わった設計データ管理の常識〜

2025年12月02日

はじめに ~なぜ、今データ管理(PDM)を再検討すべきなのか~

3DCADソフト「SOLIDWORKS」をご利用の設計者、情報システム部門、および設計部門を統括するマネージャーの皆様。日々の設計業務で、このようなお悩みはありませんか?


• 「あの部品の最新版はどれだっけ?」
• 「設計変更の履歴がわからず、手戻りが発生した」
• 「特定の人しか使えないローカルPCにデータが眠っている」
• 「作業内容が誤って他の人に上書きされてしまった。」
• 「エクセルで管理しているが、変更作業の負荷増大や人為的ミスが頻発している」

設計データの管理は、会社の資産を守り、設計品質を向上させるための重要な取り組みです。しかし、データ管理システム(PDM)の導入はコストと手間に見合わないと、過去に一度は導入を諦めてしまった企業様も多いのではないでしょうか。
私たちは、そうした中小企業の皆様に「クラウドPDM」という新たな選択肢があることをお伝えしたいと考えております。



3DCAD黎明期の「PDM導入」における高い障壁

2000年代、3DCADの爆発的な普及に伴い、設計データを管理するPDMの必要性が叫ばれました。しかし、一度PDMシステムの導入を検討されたご経験のある方は、当時のオンプレミス型のPDMシステムの導入・運用は、中小企業にとって非常にハードルが高かった事をよくご存じかと思います。当時、製造業界の多くの中小企業がPDM導入の検討を進めたものの、断念せざるを得なかった代表的な理由は下記の通りです。


1. 技術的障壁
・ SQL Serverの知識と手間: SQL Serverのライセンス選定、インストール、設定、運用、バックアップまでを設計部門の担当者が兼任する必要がある。本業ではないDB管理の専門知識が求められる。
・ サーバースペックの選定: 「今後どれくらいデータが増えるか」が予想できず、初期投資で高性能すぎて高額になるか、容量不足で数年後に増強が必要になるか、判断を誤るリスクがある。スペックの選定のみならず、ルール作りやアクセス権限の設定等も含めて、部門の垣根を超えた合意形成が必要となる。


2. インフラ的障壁
・ ネットワークインフラの整備: PDMが要求するクライアントPCとサーバー間の安定した通信環境を構築する必要があり、既存の社内ネットワークの負荷増大や見直しが必要。
・ セキュリティと災害対策: サーバー室の施錠管理、停電対策(UPS)、定期的なバックアップとリストア検証、万が一の火災・地震時のデータ保全(BCP)など、設計以外のリスク管理負荷が高い。


3. コスト的障壁
・ サーバーの老朽化とリプレース: サーバーの老朽化に伴い、数年ごとの買い替えと環境移行が必要、その都度数百万円~数千万の費用および数週間から数ヶ月の工数がかかる。


管理担当者にはハードウェア、サーバーOS、バックアップツール、セキュリティソフト等の幅広い専門知識、またハードの入れ替えやソフトのアップデート、トラブルへの対応も求められます。
豊富なリソースがあれば管理専任者の設置、情報システム部門による管理体制の構築が可能です。しかし、そのような余力がなく、設計部門内で担当者を立てる必要がある組織においては、あまりにも大きな「業務外の負担」でした。



クラウドによりPDM導入のハードルが下がった「今」が始め時

3DEXPERIENCE Platform」は、SOLIDWORKSと統合された設計データ管理機能(PDM)をクラウドで提供します。従来PDMソフト導入の障壁となっていた技術的・インフラ的・コスト的な障壁によるハードルが取り払われているのです。従来、フォルダによるデータ管理の「不便さ」と、PDMソフト導入によるコスト・手間を天秤にかけ、「不便だけれどもフォルダ管理で我慢する」という選択肢を取っていたSOLDIWROKSユーザー層が、「3DEXPERIENCE Platform」の登場をきっかけにPDM導入に踏み切るというケースが増加しています。


3DEXPERIENCE platformとは?

3DEXPERIENCE platformは、設計、製造からマーケティング、サービスに至る組織全体を、共同作業が可能な1つの製品開発環境に統合します。3DEXPERIENCE Worksポートフォリオは、SOLIDWORKSの使い勝手のよさと、3DEXPERIENCE platformと連動する高度なアプリケーション群を組み合わせたものです。

~3DEXPERIENCE platform製品構造~
3DEXPERIENCEはデスクトップ製品のSOLIDWORKS CADと連携が可能です。SOLIDWORKSの画面上から設計データを3DEXPERIENCE platformにアップロードすることで、クラウドプラットフォーム上でデータ管理機能(版管理、排他制御、ステータス管理、電子承認等)を利用可能です。さらに必要に応じて「ロール」を購入することで更なる設計データの活用環境の拡張(構造解析・流体解析・BOM管理 その他)が可能です。

▼SOLIDWORKS画面からPlatformにアクセス、版管理・排他制御等操作を実行
▼WEBブラウザでいつでも、どこからでもPlatformにアクセス可能。

オンプレミスPDMソフトの「見えないコスト」

従来からあるオンプレミス型のPDM製品でも、CADデータの構造に対するアクセス権設定、版管理を行えます。
しかし、PDMを導入できない理由として最も多いのは、「定期的にバックアップを取ったり、バージョンアップ作業を行ったりするサーバーの管理者がいないから」という理由です。専門知識を持つ管理者以外にも、サーバーのハードウェアや、導入コストなどの費用も必要です。クラウド型PDMソフトであれば、サーバー費用だけではなく、定期バックアップやサーバーのバージョンアップもサブスクリプションサービスの料金に含まれます。このようにソフトウェアのライセンス料とクラウドサービスのサブスクリプション料は氷山の一角であり、PDM運用の費用見積もりにおいてそれらだけで単純に比較することはできません。管理コストの削減など、クラウドサービスには「見えないコスト」面での大きなメリットがあります。

3DEXPERIENCEによるデータ管理の「コスト構造」の変化

クラウド型PDMソフトの登場により、コスト構造は大きく変化しました。クラウドには先ほど挙げたデータ管理に必要な環境が既に整っています。運用開始前に多少の環境構築は必要ですが、契約後すぐにご利用いただくことが可能になります。
ハード・ソフト自体はもちろん、それらのメンテナンス・アップデート等もクラウドサービスに含まれるため、設備費・人件費を大きく削減することが可能です。また、PCだけでなく、タブレット・スマホでもPlatformにアクセスしてデータの閲覧編集ができるため、社外にいても関係者との情報共有を迅速に行えます。他にも、物理的なスペースが不要・災害時のリスクが小さいというメリットもあります。

おわりに ~設計品質と競争力向上のための、最初の一歩を~

3DEXPERIENCEのクラウドPDMは、SOLIDWORKSとの親和性が高く、最もハードルの低い形でデータ管理を始めることができます。データ管理は、設計の手戻りを減らし、流用設計を効率化し、ひいては貴社の競争力に直結する重要な取り組みです。


• 過去にPDM導入を断念したが、改めて検討されたい方
• 今までフォルダ管理で何とかなってきたが、設計者が付加価値の高い作業に集中できる環境を整えたいと考えている方


クラウドでデータ管理の常識が変わった今、最初の一歩を踏み出してみるのはいかがでしょうか。
とはいえPDMについて「何ができるのか?」「どのような課題を解決してくれるのか?」「何から始めたらいいか?」等、様々な疑問が浮かぶかと思います。そのような方向けにデータ管理入門編コラムを連載予定です。こちらも是非目を通していただきたく存じます。



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