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【構造最適化】番外編:新人によるHiramekiWorksの事例作成体験記

今回の技術コラムは新人によるHiramekiWorksの体験記となっています。
構造最適化ソフトウェアであるHiramekiWorksを用いて、新人がロボットアームモデルの軽量化に取り組んだ内容です。


ロボットアームの軽量化

Fig.1(A)に軽量化を施すロボットアームのモデルを示します。モデルのロボットアームは、SOLIDWORKSで作成しています。今回の軽量化の対象はArm_1とArm_2の2本のアームです。
Fig.1(B)は様々なロボットアームを参考に、よくありそうな軽量化モデルを自分で作成したものです。

(A)原型モデル
体積:2.22x106 mm3
(B)自分で軽量化したモデル
体積:2.05x106 mm3


Fig,1 ロボットアームのモデルと体積


体積を減らして軽量化してみたものの、剛性は大丈夫なのかということで、この2つのモデルに荷重をかけた際の最大変位量を比較してみます。荷重条件と結果をFig.2に示します。

(A)原型モデル
最大変位:3.86x10-1 mm
(B)自分で軽量化したモデル
最大変位:8.91x10-1 mm


Fig.2 荷重(100 N)を加えた際のそれぞれの最大変位


Fig.2のように、アームの部分の軽量化はできている一方で、最大変位が大きく増加してしまいました。いくら軽量化できても、剛性が低くなってしまうのはよくないですよね。ということで、自分で軽量化したモデルと同じくらいの体積で、より剛性が高い形状を見つけ出すためにHiramekiWorksを使って、構造最適化を行っていきます。一度に全体の構造最適化の行うことはできないので、Arm_1とArm_2を順に行っていきます。全体の流れをFig.3に示します。



Fig.3 構造最適化を用いた軽量化の流れ



STEP.1:Arm_1の構造最適化

Arm_1の構造最適化をするにあたってHiramekiWorksを用いて、モデルに穴を開けたり削ったりするトポロジー最適化と、モデルの形状を変更する形状最適化を行いました。トポロジー最適化で体積を減らし、形状最適化で剛性を増加させることで、ある程度剛性を保ったまま軽量化することを目指します。Fig.4に荷重条件、Fig.5に最適化の条件と結果を示します。



Fig.4 STEP.1の荷重条件






Fig.5 Arm_1の最適化の条件と結果


Fig.4の荷重条件でArm_1にトポロジー最適化をすることで、いくつも穴が開いた形状が得られました。これをきれいに再モデリングしたものがArm_1_tです。
続いて、Arm_1_tに形状最適化をすることで、穴が大きくなり幅が広がっていく形状が得られました。これを、きれいに再モデリングしたものがArm_1_sです。最適化で得られる形状はいびつなので、再モデリングをする必要があります。何度もモデリングと解析を繰り返して最終的な形状を決めていきます。

Arm_1の軽量化がうまくいっているかどうかをFig.4の荷重条件で、原型であるArm_1と最適化後のArm_1_sにおける体積と最大変位量を比較することで検討します。解析結果がFig.6です。

体積:1.76x105 mm3
最大変位:2.12x10-1 mm
体積:1.00x105 mm3
最大変位:1.94x10-1 mm


Fig.6 Arm_1の最適化前後での体積と最大変位(変形スケール100倍


Fig.6より、トポロジー最適化と形状最適化によって、原型モデルより体積が約40%減少し、最大変位も小さくなっています。すなわち、Arm_1においてある程度剛性を保ちつつ軽量化できたと言えます。


STEP.2:Arm_2の構造最適化

STEP.2ではArm_2の最適化を行っていきます。STEP.1同じようにトポロジー最適化と形状最適化を行い、ある程度剛性を保ったまま軽量化することを目指します。Fig.7に荷重条件、Fig.8に最適化の条件と結果を示します。



Fig.7 STEP.2の荷重条件






Fig.8 Arm_2の最適化の条件と結果


Fig.7の荷重条件でArm_2にトポロジー最適化をすることで、中がくりぬかれて柱が2本立ったような形状が得られました。これをきれいに再モデリングしたものがArm_2_tです。続いて。Arm_2_tに形状最適化をすることで、柱の幅が幅と左側のくりぬかれた断面が広がっていく形状が得られました。これを、きれいに再モデリングしたものがArm_2_sです。モデリングと解析を繰り返す中で、柱の広がりは最大変位にあまり影響していないことが分かったので、Arm_2_tからArm_2_sにかけては左側の断面を主に修正しています。

STEP.1と同様にFig.7の荷重条件で、原型であるArm_2と最適化後のArm_2_sにおける体積と最大変位量を比較することである程度剛性を保ったまま軽量化できたかを検討します。解析結果がFig.9です。

体積:1.96x105 mm3
最大変位:2.12x10-1 mm
体積:9.00x104 mm3
最大変位:2.95x10-1 mm


Fig.9 Arm_2の最適化前後の体積と最大変位(変形スケール100倍)


Fig.9より、トポロジー最適化と形状最適化によって、原型モデルより体積が約50%減少し、最大変位もさほど増加していません。すなわち、Arm_2において程度剛性を保ちつつ軽量化できたと言えます。

STEP.3:全体比較

2本のアームの軽量化ができたので、最後に全体で比較します。自分で軽量化したモデルとHiramekiWorksで軽量化したモデルをFig.10に、2つの軽量化モデルに初めと同じ荷重条件を加えた結果をFig.11に示します。

原型モデル
体積:2.22x106 mm3
自分で軽量化したモデル
体積:2.05x106 mm3
HiramekiWorksで軽量化したモデル
体積:2.04x106 mm3


Fig.10 ロボットアームの原型モデルおよび軽量化したモデル


原型モデル
最大変位:3.86x10-1 mm
自分で軽量化したモデル
最大変位:8.91x10-1 mm
HiramekiWorksで軽量化したモデル
最大変位:3.31x10-1 mm


Fig.11 原型モデルおよび軽量化したモデルに荷重を加えた際の最大変位(変形スケール100倍)


Fig.10およびFig.11より、HiramekiWorksを使って軽量化したモデルは、自分で軽量化したモデルと同程度の体積ですが、最大変位量は小さくなっています。最大変位量については、原型モデルよりも小さいです。このことから、HiramekiWorksを使ったモデルは、剛性を上げてかつ軽量化することができたと言えます。

このようにHiramekiWorksでロボットアームの軽量化に取り組んでみて、素人の自分でも約1週間でソフトウェアの使い方を覚え、簡単ではありますが軽量化モデルを作成できました。もちろん実際に現実的な形状を作るにはより多くの試行錯誤が必要になりますが、HiramekiWorksは試行錯誤のヒント、すなわち“閃”を与えてくれると思います。

[From N. Hiramoto]

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