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【構造】有限要素法の脇役シリーズ Vol.22- ひずみ計測と3Dプリンター

2019年11月22日

先日、3Dプリンターで作成した部品のひずみ計測を実施してきました。
まず3Dプリンターで作成した引張試験用の材料試験片を引張り、応力ひずみカーブを取得します。
この試験片は、3Dプリンターの積層方向をX,Y,Z方向で変えた3タイプをそれぞれ10個くらい準備します。
これは、積層方向による材料特性の違いがあること、引張り時に破断部分や測定値がばらつくことを想定して、多めに試験片を準備します。


計測部品は引張試験機のサイズに合わせてCADでスケールを調整した3Dデータを基に3Dプリンターで作成します。
引張り試験機にセットできるように冶具を用意して引張り試験機で荷重をかけます。


試験片の応力ひずみカーブ及び荷重時に部品に生じるひずみは、光学的非接触測定ができるデジタル画像相関法(DIC)を使用します。
DICは、測定したい面にランダムのドットパターンをカラースプレーなどで作ります。
そのドットパターンの微小エリアの相対的位置の移動からそのエリアの中心位置での移動量を測定します。2台のカメラを使うことにより、ドット面の3次元的な変位、ひずみ、応力、速度、加速度などを測定できます。


今回の測定でわかったことを以下に示します。
・3Dプリンター部品のばらつきは少ないものの違方性は大きく、作り方によって破断位置や応力ひずみカーブも大きく変わります。
・3Dプリンターでは、内部をスパース構造で作ることがあります。密に作るように設定しても、完全に密にできているとは限りません。3Dプリンターで作成した材料特性は、材料の違方性と内部のスパース構造を含んだ特性と見る必要があります。
・DICでは、3次元測定ができますが画面に映らない裏側などは同時には測定できません。その辺が3次元スキャナーとは違うところです。
・DICでは表面画像からひずみ分布を測定しますので、部品の表面状態が重要です。表面がざらざらでもいいのですが、3Dプリンターのようなもので表面がざらざらのままだと、表面突起が変形してしまったり表面繊維が破断してその破片の変位を測定してしまい、本来のひずみ分布がうまく測定できないことがあります。表面を滑らかにしたりスプレーで一度塗布するなど表面処理が必要な場合があります。


スパース構造となっている3Dプリンター部品の強度をCAEでどのように評価するかの課題が残りましたが、破断箇所はCAEの結果と一致しています。
CAEと実測の知見を深めていき、評価法をみつけていく必要があります。


[From N.Sahashi]

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