メールマガジンバックナンバー Vol.96
「S.B.D. MAIL MAGAZINE」
SBDが毎週木曜日に無料で発行する、「SBDメールマガジン」の過去送信分のバックナンバーです。
S.B.D. MAIL MAGAZINE 2003-09-04<Thu> [Vol.96]
┃S.B.D. MAIL MAGAZINE 2003-9-4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃KOZO KEIKAKU ENGINEERING Inc. http://www.sbd.jp
◇◆業界あれこれ
構造・機構・流体●第2回SBD利用技術研究会-大阪で開催
◇◆技術探訪
熱流体●飛行機はなぜ飛ぶことができるのか-揚力が発生する仕組み
構造解析●SBD利用技術研究会の話題から(2)
機構解析●接触パラメータ-反発係数とは
プラスチック●最近の検証事例から 最終回「ショートショット」
◇◆構造解析よもやま話
●NO.56 キーワード:ビジネスモデルでなく技術
◇◆達人に聴く 第4弾
●TCR総研 高張 研一様●その3 日本の将来はいい物造りしかない。
◇◆イベント情報
●KKE Vision2003 他
...業界あれこれ....................................................................................
構造・機構・流体●第2回SBD利用技術研究会-大阪で開催
一昨日9月2日、第2回利用技術研究会が大阪産業創造館で開催されました。
この会は、設計者CAEを使っている"製造業の設計者"の皆様が集まって、
「困っていること」や「やり方がわからないこと」などを持ち寄って、解決し
て帰るというコンセプトの場で、先月名古屋での"勝手にセッション"を含め
ると今回で3回目になります。
今回は、松下電器の森脇さんに基調講演をお願いし、「設計に役立つCAE」
とは、どういうものかを90分にわたって熱弁を振るっていただきました。ま
た、午後は、構造・機構・流体の3つのセッションに分かれ、皆で悩みを共有
し、相談相手を見つけて帰られたのではないかと思います。
討論の内容は、参加していない方へもWEBで公開していますので、まずは会
員登録をしてからご覧ください。(会員登録も研究会の参加も無料です)
今回分のアップロードは来週くらいになれますが、とりあえず、写真だけは覗
けます。こちらをご覧ください。
⇒http://www.sbd.jp/lab/meeting/secondpictures.htm
[ 2003.09.04 from T.Sumiya ]
... 技術探訪 ....................................................................................
熱流体●飛行機はなぜ飛ぶことができるのか-揚力が発生する仕組み
翼の上面で流速が速くなり圧力が低下し、下面で流速が遅くなり圧力が上昇す
ることで揚力が発生することは分かりました。では、なぜ上面と下面での流速
差が生じるのでしょうか。
この理由を以下のように考えるのは、間違いです。「上面が丸くなっていて、
下面が平らになっているため、上面の流速が速くなる」。わたしも、このよう
に思いこんでいました。しかし、アクロバット飛行では、飛行機が背面飛行を
しますし、折り紙の紙飛行機の翼は平面です。
正しい理由は、翼の周りを循環する流れが生じることです。循環の方向は、飛
行機が右から左に飛んでいるとすると、時計回りです。この分の流速が加わる
ことで、上面では速度が大きく、下面では小さくなります。
循環流れが生じる要因は、翼の迎え角にあります。飛行中の翼は、進行方向に
対して前方が上がって後方が下がった角度を持っています。これにより、翼後
縁で反時計回りの渦が発生します。この渦をうち消す方向の流れとして、翼周
りに時計回りの流れが発生します。
今回は、以下のウェブを参考にしました。興味のある方は、一度覗いてみてく
ださい。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/a-cubed/index.html
次回は「ダランベールのパラドクス」です。
本コーナーの参考書:「パソコンで見る流れの科学 数値流体力学入門」 矢
川元基(やがわげんき)編著 講談社発行
[ 2003.09.04 from Y.Iijima ]
構造解析●SBD利用技術研究会の話題から(2)
前回から引き続き利用技術研究会で出された話題の一端をご紹介していきたい
と思います。
(質問2)
力荷重と強制変位の違いについて教えてください。うちでは板ばねの問題が多
く、どれだけ変形したときにどのくらいの反力が出るかを知りたいのです。
(返答2)
力荷重とはある部位に集中力や圧力または自重などの物体力が作用し、製品の
剛性に応じて変位量が決まる場合です。一方それとは裏の関係で、ある部位が
この方向にどれだけ変位するかを指定してしまいます。すると、剛性に関係な
くその部位は指定された量だけ変形しますが、そのとき受ける反力は剛性によ
って決まります。その反力を求めるのが強制変位の場合です。
板ばねの問題で変位量が既知であれば強制変位の方がいいと言えますが、ここ
で注意が必要です。複数の点(または面)に一様な強制変位を指定すると回転
まで拘束することになります。実際は回転するという場合には余計な拘束をし
てしまう結果となります。かと言って一点のみに強制変位を指定すると回転は
可能ですがその一点に反力が集中してしまいます。
上記の場合、一般には
1)別部品もモデル化して接触問題として解く
2)一点の応力集中は無視して反力値のみ採用する
3)圧力などの力荷重で計算し変位量を所望の量になるように圧力値を調整す
る(通常、単位荷重を掛けた場合の変位量から係数倍すれば当たりはつけ
られる)のようにしています。
[ 2003.09.04 from N.Sahashi ]
機構解析●接触パラメータ-反発係数とは
今週から3回にわたりCOSMOSMotion、DDMで扱う接触パラメータについてご説
明します。第1回目は「反発係数」です。
反発係数とは物体が衝突する時に衝突前の速度vと衝突後の速度v'の比eで表さ
れます。
<反発係数の定義式> e=-v'/v
反発係数は衝突する物質の種類で決まり0≦e≦1の範囲になります。マイナス
がつくのは衝突の前後で運動方向が逆になるためです。衝突の種類は一般的に
次のような分類となります。
e=0 完全非弾性衝突
0
(完全非弾性衝突では、衝突後は2つの物体が一体となって運動します。)
COSMOSMotion、DDMでは接触問題を衝撃パラメータ(剛性、指数、減衰、くい
込み)または反発係数で与えることが出来ますが反発係数で衝突の問題をシミ
ュレーションした場合には衝突時の瞬間的な力を計算することは出来ません。
(衝突パラメータの場合も剛性や減衰が大きい固いものどうしの衝突の場合は
算出が難しくなります。)
反発係数で計算する場合は「反発係数の定義式」と「運動量保存の法則」の関
係から変位、速度を算出していますが、衝撃力は微小な(瞬間的な)時間で働
く力であるため理論上無限大となってしまいます。これは力積の定義式でΔt
を微小にさせた場合を想定すれば分かります。
<力積の定義式> F=-(mv-m'v')/Δtより
[ 2003.09.04 from K.Taguchi ]
プラスチック●最近の検証事例から 最終回「ショートショット」
メルマガも発行して2周年、樹脂流動解析についても新機能情報やユーザー様
の事例、今回のような検証例等様々な話題をお届けいたしました。実は私の担
当も今週で最終回となります。
樹脂製品がショートショットになると、成形自体が成り立たないわけですから、
これではまったく意味がありません。Moldflowでは解析直後に「充填確実性」
が表示され、透明な部分がショートショットになりますからある程度の予測は
できます。射出圧力をあげたり、ゲートを増やすなど、アドバイスの機能にし
たがって繰り返し比較検討するのが一般的です。
しかし、充填できないとわかったら解析はすぐやめるべきでしょう。
なぜなら、ショートショットが起きるのであればその部分の精度は著しく失わ
れるからです。
最近のお客様でコイル芯の部品がショートショットを起こすので、それが再現
できるか?といったお話がありました。もちろん再現はできたのですが、解析
が終了するのにかなりの時間を要しました。
今後もご相談には随時お応えしますので、お問合せください。
[ 2003.09.04 from S.Maeda ]
... 構造解析よもやま話 NO.56 ............................................................
●キーワード:ビジネスモデルでなく技術
随分長く書いていないので、このコーナーも忘れ去られているかと思います。
バタバタしていたのと、本誌も内容が非常に充実しているのでそんなに頑張ら
なくても良いかという気持ちでいました。二周年記念号なので、何か書いてお
きたい気分に駆られました。
S社のKさんが、「S社の復活?は新しいビジネスモデルではなくて技術だ。」.
....といったという話を新聞で読みました。うーん、私の最近の考えと一致し
ていてうれしい気分になりました。
今後の世界的動向のポイントは経済にしぼれば人民元の切り上げになるようです。
大げさな話になりました。 テーマを温めてまた連載したいと思っています。
[ 2003.09.04 from MSC技術室 K.M ]
...達人に聴く 第4弾 ........................................................................
●TCR総研 高張 研一様 ●その3 日本の将来はいい物造りしかない。
日本は小さな国です。人口は多く資源も少ない。国土も狭い。要するに何もな
い!その上、食料自給率が30%にも満たないのに飽食に溢れています。エネ
ルギーの浪費に溢れています。
では、本来何が日本の資産、使命なのでしょうか。
いい物造りをすること、優れた高付加価値製品を世の中/世界に送りだすこと、
この叡智が日本を、世界を救うのです。"Positive Feed Back"です。"熱力
学の第二法則(Negative Feed Back!)"に打ち勝つにはこれしかありません!
ぼくが今顧問をさせていただいている会社に実社長と言う方がいらっしゃいま
す。まだ若い二代目社長です。
"春の雪 わが型枠は 旅立ちぬ 実"
社長がこういう優しさで自分の会社の製品の出荷を見送るのです。ですから従
業員も誠意を持っていい設計、いい物造りを真剣に考えるのです。この気持ち
を技術屋諸君がまず個人として持つことが技術立国日本再生の基本です。
追伸:
戦艦大和の帰り、出来ればB1の"海を開くコーナー"に寄ってください。そ
こにTrans World Rig 61という、4本脚で海に立って(!)石油を掘削する船
の模型があります。船体を支えるためにボックスガーダー(1.5m×1.5m,t=
25.4mm)立体トラス構造が使われています。ぼくが28のとき設計したものです。
部材結合部に強度を持たせるため、ボックスガーダーに斜材の大口径パイプを
貫通させました。まだ立体シェル構造が解けるソフトは日本になかったので、
梁理論、シェル理論で設計しました。強度計算的にはここまで大きくする必要
はなかったのですが、内側からも溶接したいため、その作業スペースをとるた
め大きくしました。また内部検査もできるように開孔もつけました。
このとき同型船を他社でも建造しましたがその船は数年後北海で疲労破壊のた
め転倒崩壊しました。わがRig 61は寿命を全うしてから廃船になりました。
[ 2003.09.04 from K.Takahari ]
... イベント情報 ..............................................................................
●COSMOS2004新製品発表会●大阪9月12日 東京9月16日
http://www3.kke.co.jp/sbd/event/2003/c2004/index.htm
●KKE Vision2003●9月17日
http://www.kke.co.jp/kkevision/
●電気/構造コラボレーション●大阪10月7日
http://www3.kke.co.jp/sbd/event/2003/ccwefd/index.htm
●MSC.N4W体験セミナー●東京9月24日 大阪9月10日
http://www3.kke.co.jp/cae/taiken/home.htm
●EFD.Lab, COSMOSFloWorks入門セミナー●9月16日
http://www.fluid.co.jp/docs/seminor_diary.htm
[ 2003.09.04 from E.Kawamura ]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
●編集後記
いつもプールへ行くと距離を稼ぐことばかり優先していましたが、試しにビー
トバンを足に挟んで泳いでみると、上手く浮いているときの呼吸のリズムがつ
かめ、手でもつと、バタ足では全く進まないことが判明し、今後の課題が見え
てきました。やはり基礎は大切なのだと実感しました。
[ 2003.09.04 from F.Kawasaki ]
◇◆このメールマガジンについて◇◆
○配信登録・変更・停止・バックナンバー閲覧
http://www3.kke.co.jp/sbd/magazine/introduction.htm
○ご意見・ご感想
mailto:sbdmgz@kke.co.jp
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
Copyright(C) 株式会社 構造計画研究所 SBD営業部
東京都中野区中央4-5-3 TEL03-5342-1051/FAX03-5342-1055
http://www3.kke.co.jp/sbd/home.htm
発行責任者:角家強志 編集担当:河崎ふみ
※掲載記事の無断転載を禁じます。本内容の記述の内容を実問題に利用
される場合、弊社の承諾は不要ですが、使用者の自己責任でご利用ください。
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴




