メールマガジンバックナンバー Vol.76
「S.B.D. MAIL MAGAZINE」
SBDが毎週木曜日に無料で発行する、「SBDメールマガジン」の過去送信分のバックナンバーです。
S.B.D. MAIL MAGAZINE 2003-04-03<Thu> [Vol.76]
┃S.B.D. MAIL MAGAZINE 2003-4-3
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┃KOZO KEIKAKU ENGINEERING Inc. http://www.kke.co.jp/sbd
◇◆業界あれこれ
プラスチック●速報!第2回Moldflow 国際ユーザー会
◇◆技術探訪
構造解析●第7回 材料非線形解析とは
機構解析●解析手法の種類(その2)
産業用ロボットシミュレーター●NO.4 作業例3:スポット溶接
プラスチック●Moldflow 国際ユーザー会 その1
◇◆達人に聴く
●コマツ 小方 康弘 様 Vol.4「3D/CAE普及のための仕組みつくり」
◇◆構造解析よもやま話 NO.49
●キーワード:数値計算(4) スカイライン法
◇◆イベント情報
●EFD. Lab, COSMOS/FloWorks入門セミナー 他
...業界あれこれ....................................................................................
プラスチック●速報!第2回Moldflow 国際ユーザー会
4月1日~3日まで、米国ピッツバーグにおいてInternational Moldflow
User Group Conferenceが開催されました。今回は皆さんご存じのようにイラ
クとの開戦の影響もあり、ヨーロッパからの参加者がかなりキャンセルされ、
約120名ほどの参加となりました。3日間で様々な事例が発表されましたが、
なにより驚いたのは昨年も行われたSIGと呼ばれるディスカッションで、要望
や機能改善といった討論された内容がその日のうちに専用サーバーにBBSの形
で公開され、参加者は端末のPCを使って支持や反対意見、成功例などを書き込
むことができるようになっていたことです。Moldflow社はこれらの情報を基に
プライオリティを検討し、次のバージョンの開発の参考にするようです。
3日間も行われるユーザー会ならではの試みに大変感動しました。
こちらの内容に関しては3回連続でご紹介していく予定です。
[ 2003.04.03 from S.Maeda ]
... 技術探訪 ....................................................................................
構造解析●第7回 材料非線形解析とは
構造解析で用いる材料にも金属、プラスチック、セラミック、木材.......と
いろいろあります。構造解析で線形材料とは荷重が作用したときの歪量(変位)
と応力(荷重)の関係が比例関係であるということです。流体で言えば、せん
断速度とせん断抵抗力が比例関係にあるということになります。
しかし、固体でも流体でも上記の比例関係が成り立つ範囲は思いのほか狭い範
囲になります。金属でいえば歪量で0.2%程度までとなりますし、プラスチック
やゴムなどは厳密には比例関係がありません。
特に、金属の塑性加工やスプリングバックなどは、まさに材料の線形範囲を超
えた部分の解析をしたいわけですし、プラスチックの最大耐力計算やゴムの
シーリング問題なども線形を超えた部分の特性が重要になります。
そのような現象を見たい場合はいわゆる材料の非線形性を考慮できるコードが
必要になります。一般に非線形性は材料の履歴にも依存しますので荷重増分法
により段階的に何度も計算する必要があります。するとほとんどの解析は材料
非線形性を考慮しなければいけないのでしょうか?答えは、Noとなるでしょう。
材料の非線形性は非常に複雑です。極端に言えば材料の数だけ材料モデルが存
在します。従って、非線形材料を使った場合でもある近似モデルを扱っている
ということになります。
特に設計案の段階で定性的な検討をする際には、線形材料でも検討が可能と考
えますし、プラスチックなどは大体の破壊歪レベルが分かれば見かけのヤン
グ率を指定するなどして検討する場合もあります。しかし、比例関係近似で計
算しているという認識は常に必要でしょう。
次回は大変形問題です。釣り竿はなぜ折れないのか?
[ 2003.04.03 from N.Sahashi ]
機構解析●解析手法の種類(その2)
今週は「スタティック解析(釣り合い解析)」と「ダイナミクス解析(動解析)」
について詳細に説明いたします。
(1)スタティック解析(釣り合い解析)
スタティック解析では機構システムの速度、加速度を全てゼロに設定して静的
にシステム内の内力、外力が釣り合う状態を算出します。
ダイナミクス解析の前に機構システムが静的状態で安定性しているかどうかを
評価します。
(2)ダイナミクス解析(動解析)
スタティック解析とは対照的に、機構システムの速度、加速度、質量、外力な
どを考慮して計算します。実現象の解析は、時間によってシステムの動きや反
力が刻々と変化するダイナミクス解析です。
ダイナミクス解析では、ガタや摩擦を考慮したり、衝突の条件を設定してシス
テムの挙動や反力を計算することが出来ます。ダイナミクス解析は非線形の微
分方程式と代数方程式からなり、収束計算(数値積分)により近似解を計算し
ます。
計算パラメータとしてシミュレーション時間とステップ数(時間刻み)を設定
しますが衝突や接触の問題等ではソフトウェア側が自動的に時間刻みを細かく
して解を導く仕組みになっています。
[ 2003.04.03 from K.Taguchi ]
産業用ロボットシミュレーター●NO.4 作業例3:スポット溶接
今週は自動車ボディの溶接でよく使われるスポット溶接のお話です。
スポット溶接の設備設計では、初期のレイアウト検討において、他のロボット
や周辺機器と干渉せずにロボットが各溶接部に到達できるかというシミュレー
ションをおこないたいということをよく耳にします。実際に、溶接ガンのワー
クへのアプローチ、進入角度、干渉チェックなどが目的となります。
RobotWorksは、3D CADの形状を利用して、何らかのパスに沿った教示点の作成
が得意なソフトウェアです。よって、アーク溶接、塗装、カットなど、パスに
沿ってツールを動かし、そのツールに対してロボットを追随させるインバース
キネマティクスシミュレーションをおこないます。
しかし、今回新機能として"ルート"というパスの指定ができるようになりまし
た。これはソリッド/サーフェスの面に対して画面上でマウスをピックするだ
けでその法線方向にツール(この場合は溶接ガン)のベクトルを立てて教示点
を作ってくれる機能で、特に自由曲面部分には非常に有効で、簡単にポイント
データを作成することができます。これによってスポット溶接等の点群データ
をより簡単に作成できるようになりました。
[ 2003.04.03 from K.Iwamoto ]
プラスチック●Moldflow 国際ユーザー会 その1
4月1日~3日まで、米国ピッツバーグにおいて開催されたInternational
Moldflow User Group Conferenceの模様を3回に分けてご紹介致します。
初日はMoldflow副社長Ken Welch氏の「今回のゴールは何か?」といったプレ
ゼンから始まり、Nypro社 Braian Jones氏の基調講演へと続きました。その内
容は、ちょっと企業宣伝色が強い感じもありましたが、日本の某自動車メーカ
ーでの事例などについては大変盛り上がり、発表後も質疑が絶えませんでした。
引き続いてMoldflow社社長のRoland Thomas氏が登場し、Moldflow Updateを発
表しました。彼は就任後初めてのユーザー会でしたので、Moldflowの歴史を昔
の写真を使いながらわかりやすく紹介してゆき、米国、ヨーロッパ、アジア
(日本含む)といったエリアへどのように展開していったのか、またその技術
の進歩がどうだったか、そして最後に新製品のラインナップを説明して締めく
くりました。
ここからはユーザーの発表がはじまり、Microsoft社のマウス、キーボードの
開発事例、(構造解析はDesign Spaceを使用)Husky社のホットランナーの紹
介と様々な事例が説明されました。Husky社はかなり参考になるWebを構築され
ているのでご興味のある方はこちらへアクセスしてみてください。
http://www.husky.ca/ 日本語表示可(一部英語あり)
次回は2日目で発表された事例を中心にご紹介します。
[ 2003.04.03 from S.Maeda ]
... 達人に聴く .................................................................................
● コマツ 小方 康弘 様 Vol.4「3D/CAE普及のための仕組みつくり」
小方さんの所属する設計部門で「CAEを信じない人はいないのでは・・」と言
うほどに設計からの信頼度を向上させた小方さんですが、設計者へのCAE普
及・導入レベルを下記AからEまでの5段階にランク分け/点数付けして評価し
ているそうです。
A:販売店からソフトやシステムが納入され、1つの簡単な例に対してCAEのモ
デルを作り、結果を出しただけのいわゆる"使える"段階
<導入> 50点
B:解析結果に何らかの設計的判断をし、実測状態を推定出来た。
<実用開始> 70点
C:他の例にも、Bと同じやり方が適用出来る事を確認。
(この段階までは、解析担当者による解析が中心、以降は設計者が中心)
<解析方法の確立> 80点
D:設計者自身でも、Cのやり方を実践出来るように標準化。
<標準化> 90点
E:CAEを実施することが開発・設計の仕組みに確実に組み込まれている。
<定着> 100点
そして、Eの100点満点のレベルに近づけるために、社内での仕組み作りを上手
にされているなあということを実感しました。
現在 小方さんの部署で実施している3D/CAEを設計部門に普及するためのい
ろいろなルール・仕組みの例を何点か紹介しますと、
・設計部門配属1年目の新入社員には3D_CADで設計が出来るレベルまで教育。
・FEMに関しても、3D_CAD教育と同時に実施し、基本的なFEMソフトの操作を
習得。
・配属2年目の設計者が半年間の設計実務で実施した解析例を発表する「CAE
研修」。
・設計の中堅クラスの社員に実施する1日の3D/CAE教育を年に2,3回実施。
・初めて行う解析は小方さんの部署で実施し、妥当な結果の出せる解析手法を
確立。
・手法が確立されている問題は、基本的にはモデル化からRUN、結果の検討ま
で設計者自身で実施。ただし、結果が出るまで4日以上かかる場合は小方さ
んのグループの解析担当者がモデル化から計算までを実施し、解析担当者自
身も妥当な結果であることを確認した後に、結果は必ず設計者自身に画面上
で確認してもらう。
・メッシュの切り方にノウハウの必要な座屈解析や弾塑性解析に関しては、解
析担当者が解析を担当することが多いが、この場合も結果は設計者自身が画
面上で確認。
・ノウハウの必要なマニュアルでのメッシュ作成方法に関しては、解析担当者
がモデル作成の手順書を作り、設計者が実施時は解析担当者のサポートを受
けながら実施。
・解析開始時には設計者に「解析依頼書」を作成してもらい、どの様な検討を
したいのかに関して、設計者と十分な打ち合わせを実施してから始める。
(詳細はVol3参照)
・解析した結果に対しては「技術検討書」を作成し、小方さん・設計者の双方
がサイン後、所属設計部門のトップのサインまでもらう。(詳細はVol3参照)
・設計から試験部門に応力テストを依頼する場合、設計のFEMは必須。
などなど、色々な取り組みを設計・試験を含む開発部門全体を巻き込んで実施
し、CAEに関する理解と関心を増していく仕組みです。皆さんの会社ではどん
な仕組みを作られていますか。
[ 2003.04.03 from E.Kawamura ]
... 構造解析よもやま話 NO.49 ............................................................
●キーワード:数値計算(4) スカイライン法
バンド法の効果を高める方法としていくつかの手法が開発されました。
ご興味のある方は、以下をご覧ください。
http://www3.kke.co.jp/msc_kozocae/KOZOCAE49_332.pdf
[ 2003.04.03 from MSC技術室 K.M ]
... イベント情報 ........................................................................
●はじめての構造・機構CAEセミナー●4月22、23、24日
http://www3.kke.co.jp/sbd/event/2003/invseminar/index.htm
●MSC.visualNastran for Wondows初心者ユーザー向けセミナー●東京4月3日
大阪4月10日
http://www3.kke.co.jp/msc_kozocae/mscseminar.txt
●熱対策技術展●4月16日(水)~18日(金)
http://www.jma.or.jp/tf/
●大塚商会京都支店オープニングセミナー&フェア●4月7日
http://it.e-otsuka.com/kyoto/
●EFD. Lab, COSMOSFLOWORKS入門セミナー●
http://www.fluid.co.jp/docs/seminor_diary.htm
●機構解析ツール・無料体験セミナー●
http://www.imao.co.jp/imc/training-curr.html#cae-t
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●編集後記
最近周りで沖縄の石垣島や鹿児島の屋久島へ行ったとういう友達が多く、みん
なして大絶賛でした。島歌の歌声を聴きながらガタガタと牛車に揺られたり、
透き通るような海へ行ったり、スコールを浴びながら縄文杉のあるところまで
山登りをしたりと、ちょっと神秘的な休暇が過ごせるのが魅力のようです。
[ 2003.04.03 from F.Kawasaki ]
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